ページ35
ダン「…やはり、来ておったか」
深夜、寮を抜け出し、ある場所へと来ていた。
貴女「深夜に女子生徒を追いかけるとは…たいそうなご趣味をお持ちなようで」
私の目の前には、あの溝の鏡がある。
その中には私以外に数人の人間が映っており、身形から判断すると、卿、アブラクサス、オリオン、シグナス、ヴァルブルガだろう。
鏡の中で、私を含めた６人は微笑んでいる。
この鏡に映されるということは、これが私の願いなのだろう。
私は本来の世代に戻りたいのかも知れない。
ダン「君には、何が見えておる？」
貴女「貴方にお教えする必要がありますか？」
そう言いながら振り向くが、明かりが足りないせいで校長の表情は読めない。
ダン「君はもう、戻ることはできぬ」
…それは、一体どういった意味で言っているのだろうか。
あの魔法がない世界か、私がいるべき本来の時間か、情報の取引のことか。
貴女「私は、貴方には感謝しています」
ダン「感謝？」
貴女「えぇ、私は、あの時間にいたとすれば、こうして物語に直接関わることなどできなかったでしょうし、あの世界にいたとすれば、異端者とされていたでしょうから」
気がつくと、いつの間にか校長は私の隣で、鏡を覗き込んでいた。
貴女「ご希望のモノは映りましたか？」
ダン「…苦いものばかりじゃな」
校長はそう言いながらため息を吐き、離れて行った。
扉の前に着くと、彼は振り向き、見えてもいない私を見た。
ダン「明日には、セブルスの仕事も終わろう」
それだけを言い、校長は私の視界から消えた。
暫くすると、その足音さえも消え、再びこの空間に静寂が訪れる。
瞬間、今まで感じていなかった寒さを感じる。
貴女「………」
再び鏡を見ると、やはりあの６人で微笑んでいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 70人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
匿名希望 - 姿現しでは？ 普通に姿『消し』の反対は姿『現し』だと思うのですが…… (2015年1月13日 19時) (
レス) id: d3e937bb77 (このIDを非表示/違反報告)
蛍光灯(プロフ) - 黒の人さん» 黒の人様、ありがとうございます。なお、秘密の部屋は本章がかなり長引いてしまったため、続きは続編記事での連載となりました。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。 (2014年9月10日 17時) (レス) id: e6968aead3 (このIDを非表示/違反報告)
黒の人 - 秘密の部屋続き待ってます (2014年9月10日 17時) (レス) id: d9b5d79721 (このIDを非表示/違反報告)
蛍光灯(プロフ) - 黒の人さん» 黒の人様、いつもありがとうございます。ただいま日記リドルと主人公をどう対面させようか検討中ですので、もしかすれば近いうちに会話が実現するかもしれません。気長にお待ちください。 (2014年9月6日 23時) (レス) id: cde8c169d6 (このIDを非表示/違反報告)
黒の人 - ヴォルデモートと主人公の会話が気になってきます。続き見たいです。 (2014年9月6日 20時) (レス) id: d9b5d79721 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蛍光灯 | 作成日時：2014年3月8日 17時
