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だが、そんなことはなかった。
その後、視界は見る見るうちに変わって行った。
気がつけば、私の視界には見慣れたあのコンクリートの道はなく、代わりに石畳の道が続いていた。
変わったのは道だけではない。
周囲に並ぶ建物も、空の色も、私にとって未知の物ばかり。
それを理解すると同時に込み上げてくる嗚咽感。
貴女「っ！」
私は冷たい石の上でしゃがみ込んだ。
乗り物酔い…いや、それ以上だ。
経験はないが、無理やりにでも例えるのなら、あの自衛隊とかの人が乗る航空機に無理やり乗せられ、途中で急速落下でもしたような感覚。
セブ「どうした」
貴女「どうしたも、こうもっ…ありませんよ…何です？今のは」
そう聞くと頭上の上から鼻で嗤われるのがわかった。
まるで、というよりは完璧に私を見下している。
セブ「姿あらましも知らんのかね？そこまで無知だとは聞いていないが」
貴女「姿…あらまし…？良いんですか？あそこ、完全にマグルの領域ですよ？」
セブ「校長からの命令だ。いたしかたあるまい」
そう言うと彼は何処からか何かを取り出し、私に差し出した。
貴女「…？」
セブ「即効性の吐き気止めだ」
貴女「あ…えっと、ありがとう、ございます？」
その手から即効性だという吐き気止めを受け取り、どうにかして飲み込めば、なんとなくてはあるが多少吐き気がなくなった気がする。
その後、どうにか歩けるまでに回復した私を連れて、彼は何処かへと向かった。
なんとなく見たことのある風景。
どこで見たのだろうか。
セブ「…ホグズミードだ」
貴女「はい？」
セブ「ここが何処なのか知らぬのだろう？」
ホグズミード…ホグズミード！？
瞬間、私の脳はここをハリポタの世界だと自己完結した。
つまり、私は念願かなってハリポタの世界へとトリップしてしまった。
トリップ…ということは、私はここで何かをしないといけないのだろうか。
死んでしまう双子の片割れの身代わりになるだとか、父親の失敗のせいで死喰い人となってしまった少年の変わりになるだとか、殺される選手を助けるだとか、私の数歩前を歩くあの人の最期を変えるだとか…。
残念ながら私にはそんな使命感などない。
そもそも、ここでは私の安全など全くと言って良いほど保障されていないのだ。
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匿名希望 - 姿現しでは？ 普通に姿『消し』の反対は姿『現し』だと思うのですが…… (2015年1月13日 19時) (
レス) id: d3e937bb77 (このIDを非表示/違反報告)
蛍光灯(プロフ) - 黒の人さん» 黒の人様、ありがとうございます。なお、秘密の部屋は本章がかなり長引いてしまったため、続きは続編記事での連載となりました。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。 (2014年9月10日 17時) (レス) id: e6968aead3 (このIDを非表示/違反報告)
黒の人 - 秘密の部屋続き待ってます (2014年9月10日 17時) (レス) id: d9b5d79721 (このIDを非表示/違反報告)
蛍光灯(プロフ) - 黒の人さん» 黒の人様、いつもありがとうございます。ただいま日記リドルと主人公をどう対面させようか検討中ですので、もしかすれば近いうちに会話が実現するかもしれません。気長にお待ちください。 (2014年9月6日 23時) (レス) id: cde8c169d6 (このIDを非表示/違反報告)
黒の人 - ヴォルデモートと主人公の会話が気になってきます。続き見たいです。 (2014年9月6日 20時) (レス) id: d9b5d79721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛍光灯 | 作成日時：2014年3月8日 17時
