レインボープール【2】

片思い（2） ページ21

一緒に住むことになった僕達は買い物に来ていた。

明日、引っ越しなのである。

同棲を決めた後の行動は早かった。

すぐに不動産へ行き、条件に合う部屋を選んだ。

それから一週間、それぞれの荷物をまとめていたが、一切家具を買っていないことに気がついた。

そして現在に至る。

ホームセンターに来ているのだ。


｢あ、郁弥！

これとかどうかな？｣


机を見ていたさあやが振り返って言う。

白いスカートがふわっと舞うのを見てきれいだなと感じる。


｢うん、いいんじゃない？｣


僕もさあやもシンプルな感じが好きだからそれで統一しようと決めていた。

趣味は驚くほど合って逆に笑いがこみ上げてくるほどだ。

ちょうどさあやが指さしたテーブルも真っ白で柄がなく、セットになっているイスが黒でおしゃれな雰囲気がするものだ。


｢よし、じゃあ決まりだね！｣


そう言ってさあやはソファーのところへ進む。

今日のさあやはどことなくテンションが高く、楽しんでいるのだとわかり、愛しさがこみ上げてくる。


｢んー...、これとかどうかな。｣


そういってさあやがさわっているソファーから目線を上げ、僕の方を見る。


｢...んー｣


そのソファーに触れ、言う。


｢この硬さだと、怪我しちゃうよ？｣


なんのことかわかっていないさあやはきょとんと顔を傾ける。

そんなさあやにクスっと笑って耳元でぼそっと呟く。




｢押し倒したら...ね？｣





ぼんっと真っ赤になったさあやはとても可愛らしかった。

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