帰国(1) ページ2
凛side
日本。
高校3年の終わりに出発したばかりだからそれ程時間が経ってはいないが、やはり故郷というものはどこか懐かしい気分にさせる。
ハル達はどうしているだろうか。
みなそれぞれの道を進んだが、行き詰まってはいないだろうか。
愛達のことも気になる。
部長としてちゃんとやっていけてるだろうか。
百はわがままを言っていないだろうか。
岩鳶の連中とは上手くやれているのだろうか。
そんなことを考えながら荷物を取り、乗り換えの電車の方へ足を運ぶ。
ホームで電車を待っていると隣に並ぶ同い年くらいの男女の声が聞こえる。
「ねー郁弥、この後どうする?」
「どこでも...さあやの好きなとこで。」
付き合いたてなのだろうか。
男の方が緊張しているように見える。
...ああいう青春っぽいのもいつか経験してみたいな。
これから起こることに予測も立たない俺はそんなことを考えていた。
駅メロが流れ、電車が到着する。
乗り込みながらバッグに入っていたスマートフォンを取り出し、メッセージアプリを起動させる。
凛帰ってきた。
凛また勝負できるな、ハル
スマートフォンをズボンのポケットにしまい、揺れる電車の壁に寄りかかる。
少しすると、ポケットの中のスマートフォンが軽く振動した。
もう一度アプリを起動させてみると思っていた通りあいつからの返信だった。
文面を読んで無意識に頬が上がるのがわかる。
「...待ってるぜ、ハル。」
一人呟いた彼の声は誰にも聞こえなかった。
遥ああ。
遥凛と一緒に泳ぎたい。
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みのり - まいまい☆さん» この作品のアドバイスをしました、見てみて下さいね!辛口が意外と難しくて上手く出来ていないのですが…… (2019年8月14日 14時) (レス) id: 671f4436ea (このIDを非表示/違反報告)
まいまい☆ - 紅夜の黒猫さん» ありがとうございます。読みやすいとは感激です! (2019年8月6日 8時) (レス) id: e4e68df0f1 (このIDを非表示/違反報告)
紅夜の黒猫 - 参加していただきありがとうございます。読んでいてとてもおもしろかったです。内容も頭に入りやすく、とても読みやすかったです (2019年8月4日 12時) (レス) id: 3aef5a37b1 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい☆ - 江梨もぐさん» ありがとうございます!いつもコメントなどを頂いてすごく励みになっておりました!次作も頑張りますね...!本当にありがとうございました! (2019年1月11日 6時) (レス) id: c479711da3 (このIDを非表示/違反報告)
江梨もぐ - こんばんは。ずっと陰ながら応援させていただいておりましたが、ついに最終回とは… 次作も楽しみにしてます!これから応援してます、頑張ってください! (2019年1月10日 23時) (レス) id: 18af6740d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まいまい☆ | 作成日時:2018年12月27日 15時