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｢なるほど｡では彼女は現在ボンゴレで保護されていて、一部の人間しかそのことは知らないというわけですか｣
ふむ、と顎に手を当て興味深そうに骸は頷いた｡
｢なるほどじゃねえよ!大体クロームにこのこと骸に伝えるように頼んだんだから、お前が知らないはずがないんだけど?｣
ツナは泣きやみそうにないAを膝に乗せ背中をさすった｡ツナのスーツがAの涙で濡れてしまうのは果たしてこれで何度目か｡
｢知りませんねえ｣
骸はシラをきった｡クロームの伝え忘れにするつもりらしかった｡
はあ、とツナはため息をつく｡どうしてこうも守護者たちは自由奔放なのか｡特に雲と霧｡
｢君もいい加減泣きやんだらいかがです?何度も悪かったと言っているじゃないですか｣
どの口が言うんだ!と言ってやりたい気持ちでいっぱいだったが、ツナにそれを言う気力はすでに尽きていた｡
Aはツナのスーツから顔を離すと、骸を見てぼそぼそと言った｡
｢……さんが、……はちゃんと……｣
｢はい?｣
あまりにも小さな声だったので、骸も近くにいたツナもAが何を言っているか分からなかった｡
｢山本さんが、悪いことした時は、ちゃんとごめんなさいしろって言ってた｣
ピシャーンと骸とツナの間に雷撃が走った｡
ツナは山本ナイス!と思い、骸は山本武……!と彼を恨んだ｡当の山本はその時、背筋に冷たいものを感じてくしゃみをしていた｡
骸がAにごめんなさいをするのか、ツナはワクワクしながら待った｡
｢だから、ごめんなさい｣
ところが謝ったのは骸ではなくAだった｡
ツナも骸も驚きより謎に思う気持ちの方が大きかった｡
｢六道さんがツナさんのお仕事仲間って、A、知らなくて｡六道さんを知らない人と思って、逃げちゃったから｡ごめんなさい｣
Aはペコリと頭まで下げた｡
ツナは唖然としていた｡Aは文句1つ言わず、それどころか自分が悪かったと謝ったのだ｡
Aは自分の服の袖で涙を拭きとり、ツナの膝から降りた｡
｢A、お顔洗ってくる｣
タタッと骸の横を通りすぎて、Aは部屋を出ていった｡
｢随分と変わった子ですね｣
｢骸には言われたくないと思うよ｣
即座につっこむツナ｡
骸は何かを考えるように少し黙りこんだ｡
｢A、でしたっけ｡あの子いくつなんですか?｣
｢7歳｡よく聞かれるよ｣
再び骸は口を閉じた｡そしてさっきのAのようにぼそりと呟く｡
｢……本当に変わった子だ｣
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作者名：futureblue�鏡� | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2019年5月27日 19時
