ムリです。 ページ4
「私の仕事、そんなに簡単そうに見えます？そんなに…楽そうに見えるんですか？」
イ「そんなわけないだろう。Aの仕事の危なさは俺達はよく知っている。」
「私は常々、皆さんには警告してきました。命に関わるから首を突っ込むなと。」
そうです。
いつも宴の席で隊員達は”次の任務は俺も連れてけよー”と気軽に言ってきます。
その度に私は理由も添えて断ってきました。
だから私がマルコや、オヤジさん、イゾウさんの部屋に行く時は近寄るな。と。
任務に行く事、知られているんです。
いつ行くかまで言わずとも、情報を悟られぬよう配慮していますし、皆の命を最優先に考えて行動しています…。
「でも…聞き入れてはくれません…」
イ「…っ」
「もう一度言います。私の仕事は常に死と隣り合わせです。頼れるのは己のみ。情報を知ってしまったせいで殺される事もあります。」
イ「あぁ。お前さんの言う通りだ…」
「私の…私達の仕事を、甘く見ないで…下さい。」
イ「すまない…」
「それに、隠せないなら内緒事なんてしないで下さい。そんな環境なんです。何かを知られてしまったのかと、肝を冷やす毎日なんですよ。」
私に限って、そんな事はないだろうと皆は思うのでしょうね。
私だって人間です。
万全の体制をとっても、心配なんです。
イ「A、お前さんが言った問題は俺が全力で解決する。必ず約束する、だから…モビーに戻ってくれ。」
「…ごめんなさい。今はムリです。」
イ「ーーっ！！頼む、A。この一年、ずっとお前さんを探し続けたんだ。俺はもう、この手を離せねぇ！！」
「っ！イゾウさん！あなたは隊長ですよ！！船員の命を先に考えるべきです！！」
イ「あぁ、だがA！お前も俺の部下だろう！！」
「くっ…。ダメです。私がいてはモビーは必要以上に危険に晒されます！！」
一線を引けない船員達では…いずれモアのように、殺されてしまう！！
「私は、モビーにとって死神です…だから、離して下さい。イゾウさん」
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作者名：たまごやき | 作成日時：2022年6月16日 7時
