サメ妹と鯨7 (ページ3)

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戻りません。ページ3

イ「A…もう、モビーに戻ってきたらどうだい？皆心配して、この一年ずっとお前さんを探していたんだ…」

「〜〜っ。い、いや…です。私は戻りません。」

イ「！！やっぱり、Aだったか。なんで戻らないんだ？お前さんだけ、秘密の内容を知らないからか？」

「それも、ありますが…」

イ「？どうしたんだ。」

「隠す事もちゃんとできないのに。ニヤニヤと好奇の目に晒されて…不気味ですし必要以上に神経すり減らしますし。」

イ「…そうだったのか。」

「私は…見世物ではありません。ちゃんと隠せないなら、秘密だなんて言わないで下さい。」

イ「…すまなかった。たしかに冷やかしの視線は感じていたが…Aはその理由も知らないんだもんな。怒って当たり前だ。」

「はい。なので私は戻りません。今更その理由を教えてくれともいいません。」

イ「A」

「今度皆に会う時は…私が任務を完遂させて、向こうの世界に戻る時だけです。」

っ！！！

と耳元で声を詰まらせるイゾウさん。

腕の力が…より一層強くなりました…

イ「そんな事…言うなA。俺はお前さんと旅をしたいんだ。」

「…。ダメです。今更戻るなんて」

イ「オヤジはAを連れ戻してこいと言っている。皆がお前さんの帰りを待っている！！」

「知りません！！どうせ帰ったって私を見る目は変わりません！！」

イ「A！！」

「私にはモビーの仕事の他に、任務があります！！会話全てに聞き耳を立てられプライベートも阻害されます！！」

イ「A、落ち着いて話を聞いてくれ！！」

「私は…私はそんなの家族と思えません！！イゾウさんと話すのも、仕事、プライベート関係なく冷やかされジロジロニヤニヤ見られ…私には、ムリですよ…耐えられません…」

イ「A…」

「私の仕事は、常に命懸けです。いくらモビーの中とは言え常に気を張っています。なぜだか分かりますか？」

イ「…」

「どこで誰が聞いているか、分からないからです。だから大事な話は必ずオヤジさんか、マルコ、イゾウさんの部屋でと決めています。」

イ「…そうだな。」

「なのに…私がイゾウさんの部屋に入れば聞き耳をたてられ…マルコの部屋に行けば浮気かと冷やかされ。オヤジさんの部屋に行けば結婚挨拶か？とおちょくられます。」