弟子ですよ？ ページ26
エ「その、よ。俺がそいつに似てるから…教えてくれてるのか？」
あらま。
なんてかわいい質問をするんですか、この子は。
「ふふ！やだなぁ…行動パターンは似ていても、そんな理由であなたを弟子になんてしませんよ。」
エ「…俺弟子だったのか。」
「なんだと思ってたんです？」
エ「戦友」
「まぁ、モビーでは戦友でも任務では弟子ですよ。そう言ってのけるのは似てますね。」
全くおこがましい。
まだまだ未熟なのに…あなたもモアも…何を言うんですかね。
ツ「その、A。俺達そのモアって人会ったことないんだけど…」
「それはそうです。彼女は私が12歳の時、死にましたから。あなた達と初めて会ったのはリング争奪戦の時。8年は経ってますね。」
ツ「そ、そうなんだ…なんかごめん…」
「いえいえ。気にする事はないですよ。…聞きたい事は、それだけですか。」
エ「…どんな…最期だったんだ…」
イ「っ！、おいエース！！」
あ、イゾウさん。そんなに怒鳴ってはダメですよ。
ほら、子供達がこっちを見ています。
「イゾウさん、しー、ですよ。」
イ「くっ、A。こんな質問答えなくていいぜ。」
「そうはいきません。大丈夫、エース。あなたの為に答えます。ちゃんと聞いて下さいね？」
エ「お、おう…」
「あの子は…黙ってついてきた私の任務で敵に捕まり…逃げようとした際に拳銃で蜂の巣にされました。」
エ「っ」
一気に重くなる空気。
ズシリとした雰囲気が肩にかかります。
「もちろん気づいていました。だから帰るように言ったんです。でも…帰らなかった。」
マ「…」
「敵も粗方倒し、私も気が緩んでいたんです。明日はどう動いて行動するなんて…敵はいないと思い込み話してしまった…」
サ「お前…それまさかあの時怒ってた…」
「そうです。あなた方が私の任務についてきた時、エースとサッチが騒いでいて怒りましたよね？あの時の話はこれが大元です。」
そう。
その気の緩みがこの一生消えない傷になって残った…
「あっという間でした…。次の日にモアがいなくて探せば捕まっていて…あの子は…私の目の前で体中を撃ち抜かれた…」
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作者名：たまごやき | 作成日時：2022年6月14日 5時
