おーとまちっくlove

三日目(勇) ページ32

「ごめん……ごめん……」


泣いて謝りながら彼女は自分の手を口に入れて。

嘔吐反射を直接刺激して何回もえずく。

その度、開かれた口からだらだらと唾液がでて、手をつたって床にぽたぽたと落ちる。

ビクビクと背中が波打って、喉から水っぽいごぽっという音が聞こえると、すぐに手をぬき、


「ぅ……おぇぇっ…げぇっ……げほっ、っんぇ……」

先程よりも多い量を一気にビチャビチャと戻す。

「げほっ……ｹﾎｯｹﾎｯ…はぁ、…」

吐瀉物と涙とで
グチャグチャになったかおと唾液や吐瀉物で濡れた唇。

その少しセクシーな顔も、全て正気に戻った今は

ただの罪悪感しかなくて。


今食べたばかりの麺類やごはん、野菜、全てグチャグチャの、消化されきっていないままの吐瀉物が彼女にまとわりつく。

もちろん臭いもきつくて、さっきの美味しそうな料理そのままの匂いに酸を混ぜたような、
いまだに気持ち悪さはおさまらず、グチュグチュと音を立てて口の中に手をいれる。


こんな目の前でしっかり見ているとやはり
自分も気分が悪くなるもので。


俺は嘔吐が好きなわけではない。吐くときはスッキリしてあの感覚は好きだが、やはり見るなんて……

それにこうなったのも全部俺のせいだ。
自分の歪んだ欲から。
彼女は明日本番だと言うのに。

嫌がっていたのに。
最低な男。
やはり、両親の言うように俺は要らない存在であった……だから。


「ぐぅっ……ぐうぇぇぇ！！！！」


―――…バシャバシャッッ！！！


「げほっ、……い、さむ…はぁ……く……？」

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