今日が何の日かわかるだろう ページ10
皆が横一列に並んだ後、石切丸がやってくる
石切丸「やあみんなお揃いで。仲が良くて何よりだ」
物吉・桜姫「「石切丸様」」
村正「石切丸さんも並びませんか？楽しいデスよ」
伽羅「…楽しくはない」
桜姫「ふふっ。加羅ったら」
にっかり「並んで…脱ぐんだってさ…きっと楽しいよ」
伽羅「…楽しくはない」
石切丸「せっかくだけれど遠慮するよ。用があるんだ」
村正「残念デス」
石切丸が歩いていく
蜻蛉切「石切丸様、どちらへ？」
石切丸は微笑みをたたえ、
石切丸「…信康さんを…斬りに」
驚愕する刀剣男士たち
そんななか、桜姫だけは悲しそうな目で石切丸を見つめていた
物吉「待ってください！石切丸様！」
石切丸「…待てないんだよ物吉君。今日が何の日か君ならわからないはずがないだろう？」
物吉「…」
石切丸「天正七年九月十五日・・・信康さんが切腹した日だ」
沈黙
石切丸「…これ以上信康さんを生かしておくわけにはいかない…それでは歴史が変わってしまう」
物吉「…理由は？」
石切丸「…理由？」
物吉「…信康様を殺す理由です！」
石切丸「理由なんてどうでもいいんだ…それが歴史の事実だからそうする…それだけのことだよ」
物吉「…そんな」
石切丸「…それが徳川家康の歴史じゃないか」
物吉「…それはそうですけど…でも」
石切丸「君はわかっていると思っていた。私の見当違いだったかな」
物吉「…」
石切丸「…歴史の流れで…悲しい役割を背負わされている人もいるそうだよ…信康さんもその一人なのかもしれない」
物吉「…」
石切丸「何にせよ…彼には死んでもらわなければ」
石切丸が行こうとする
物吉「…何の罪もない人を…殺せるんですか！」
石切丸は力ない笑顔で振り返り
石切丸「…物吉君」
物吉「…？」
石切丸「…罪があろうとなかろうと…人を殺めてもいい理由なんて…あるとは思えないよ…私は」
物吉「！」
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作者名：ヴォルペ | 作成日時：2023年12月17日 18時
