気にかけてほしい ページ21
桜姫side
石切丸様との馬当番が終わってから数日後のこと、主の部屋に呼ばれた私は膝をついてお辞儀をしている小狐丸様を見つめていた。
「(小狐丸様の舞いは美しいですね…)」
丁寧にお辞儀をして舞い終える小狐丸様
審神者「大変美しい舞いでしたよ、小狐丸」
「舞いの切れがまた上がったのではありませんか？」
小狐丸様は私の近くに来て、頭を何度も撫でた。
小狐丸「御姫様ありがとうございます。ぬしさまも。ぬしさまがご所望であればいつでも…」
審神者「ありがとう。ところで、三日月宗近はどうしたのでしょう？」
「探したのですが、見つからず…」
恐縮してしまう私達
審神者「ふふ、まったく…相変わらずですね、あの者は」
主様のその言葉に少し安堵した
小狐丸「ところで、ぬしさま…何か気にかかることがあるのでは？」
審神者「・・・」
「主様が小狐丸様の舞いを望まれる際は…何か心に気にかかることがあるときですよね？」
審神者「・・・」
小狐丸「私たちの思い過ごしでしたら…ご無礼を」
頭を下げる私達
審神者「この本丸に新たに刀剣男士が加わりました」
小狐丸「それは喜ばしいこと」
審神者「彼らの名は…髭切、膝丸」
「ご高名はかねがね」
小狐丸「そうですね」
審神者「・・・」
小狐丸「髭切殿、膝丸殿のことで何か？」
審神者「今剣のことです」
その言葉に、はっとする
「髭切様と膝丸様は源氏に縁のある刀でしたね」
審神者「彼らと会うことで今剣が心を乱すことがないとは言い切れません。」
小狐丸「阿津賀志山のときのように」
審神者「ええ」
言葉が出てこない
審神者「新たな仲間が加われば多少の摩擦が生じるのはつきものです。むしろそれを乗り越えてこそ各々が成長していける…それはわかっているのですが」
桜姫・小狐丸「「・・・」」
審神者「小狐丸。桜姫。…あなた達も今剣のことを気にかけていてもらえますか？」
小狐丸・桜姫「「もちろんです/承知いたしました」」
審神者「頼みましたよ」
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作者名：ヴォルペ | 作成日時：2023年12月17日 18時
