美しく舞う桜 (ページ12)

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親子の対立ページ12

家康と信康が対峙している

家康「なんじゃと？…もう一度言ってみよ」

信康「…父上、私と…縁を切って頂きたい」

家康「何を言っておるのじゃ」

信康「・・・」

家康「お前は、徳川家の跡取りなのじゃぞ！」

信康「…」

家康「理由は何じゃ？何か理由があるなら申してみよ」

信康「…父上、吾兵は何故、死なねばならなかったのでしょう」

家康「…」

信康「…土と共に在る、それが吾兵の在るべき生き方だった…吾兵の手は…土を耕すためにあった…しかし、吾兵は刀を持つことを選んだ…何故なのでしょう」

家康「…戦で家族を亡くした怒りが…そうさせたのであろう」

信康「父上！この戦乱の世に終わりはあるのでしょうか」

家康「…」

信康「…畑を耕していた手…家族を守れなかった手…妹の手を握った手…涙を拭ったて…握り締めた手…刀を握った手…」

家康「…」

信康「…父上、私の手はもう…刀を握ることができませぬ」

その言葉に家康は激昴し

家康「痴れ者が！何を情けないことを！刀が握れんと申すか！戦ができんと申すか！わしが！わしがどのような気持ちで戦をしているのか…
貴様にはそんなこともわからんのか！」

信康「…」

家康「許さんぞ！許さんからなあ信康！お前はこの徳川家の跡を継ぐのじゃ！勝手なことは許さんからなあ！」

家康が去っていくと同時に石切丸が現れる

家康は立ち止って石切丸を見つめ無言で去っていく