おかしくなんかない ページ11
石切丸が再び去ろうとする…が
桜姫「石切丸様」
石切丸「・・・？」
桜姫「私が言った言葉を覚えていらっしゃいますか？」
石切丸「！？・・・・ああ」
桜姫「無理はなさらないって…言ったじゃないですか！…どうして…どうして！」
そこまで口に出した桜姫は、咳込み始めてしまう
蜻蛉切「桜姫！」
石切丸は桜姫の元へ近づき、抱きしめる
石切丸「桜姫さん・・・君にも影響が出始めている」
桜姫「！」
石切丸「…この意味が…分かるね」
桜姫「…はい」
石切丸は桜姫だけに聞こえる声で呟くと去ってしまった。
桜姫「…石切丸様」
物吉貞宗は俯いて
物吉「…そう…ですよね…石切丸様の言うことは正しい…ボク達は刀剣男士なんだ。…違う結末を期待してしまうなんて…長く一緒に居過ぎちゃったからかな…はは…おかしいな」
桜姫「…おかしくはありませんよ」
物吉「…」
にっかり「…手に入れてしまった以上…捨てることはできないから」
物吉「…？」
にっかり青江はむずからの胸を指し
にっかり「…心のこと」
物吉貞宗「…」
桜姫「…あまり無理をなさると…壊れてしまいますよ」
物吉「…にっかり様、桜姫様」
泣いている物吉貞宗を抱きしめる桜姫
その行為で余計に泣いてしまう物吉貞宗
にっかり「…さてと」
桜姫「…にっかり様、どちらへ？」
にっかり「分け合える時は分け合おうと思うんだ…悲しい役割はね」
にっかり青江がいなくなる
伽羅「…」
黙ってにっかり青江を追う大倶利伽羅
物吉貞宗も覚悟を決めて
物吉「ここは・・・ボクが」
村正「アナタは幸運だけを運びなさい！こういうことは妖刀の役割デス」
物吉・桜姫「「村正様」」
蜻蛉切「村正」
村正「なんデス？」
蜻蛉切「忘れるなよ。俺も村正だ！妖刀伝説をお前ひとりで背負うことはない。」
千子村正「・・・」
蜻蛉切「行こう」
蜻蛉切も千子村正も物吉貞宗も石切丸の後を追った。
残されたのは桜姫だけ
桜姫「石切丸様…石切丸様を慕ってくださる方がたくさんいらっしゃいます…どうか…どうかおひとりで抱え込まないでくださいませ」
そこまで言うとまた咳込んでしまう
桜姫「…だれか…たすけて」
桜姫の声に耳を貸すものは誰もいなかった
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作者名：ヴォルペ | 作成日時：2023年12月17日 18時
