見上げる夜空 ページ6
蜂須賀虎徹が夜空を見上げている
加州清光がやってくる
清光「…や」
蜂須賀「加州清光か。」
清光「何してるの？」
蜂須賀「…星を」
清光「星？」
蜂須賀「…あの明るい星」
清光「…ああ、シリウスか」
蜂須賀「シリウス」
清光「天狼星とも言うんだって」
蜂須賀「天狼星？詳しいんだな」
清光「前に聞いたことがあるんだ…あれ？誰から聞いたんだっけな」
加州清光の様子を見て、蜂須賀虎徹が微笑む
清光「ま、とにかく、太陽の次に明るい星なんだってさ」
蜂須賀「‥・太陽の…次・・・二番目に明るい星か」
清光「うん」
加州清光は刀を抜き、鍛錬を始める
加州清光の動きは沖田の動きと酷似している
蜂須賀「・・・なあ、清光」
清光「ん〜？」
蜂須賀「・・・大和守と桜姫のことなのだが」
清光「うん」
蜂須賀「・・・心配ではないのか？」
清光「心配？う〜ん…心配かあ…心配か心配じゃないかと言われたら心配なんだろうけど〜」
加州清光は鍛錬を続けている
清光「どうしてそんなこと聞くの？」
蜂須賀「・・・俺のした選択は…彼と彼女を行かせたことは…正しかったのかと思ってな」
清光「…正しかったのかはわからないけど…」
蜂須賀「？」
加州清光は鍛錬を止めて蜂須賀虎徹を見る
清光「俺は蜂須賀には感謝してるよ」
蜂須賀「…感謝？」
清光「うん」
蜂須賀「…」
清光「…きっと主はさ…俺達がこうやって、ぶつかったり、悩んだりすること？そんなこともわかった上で編成してるんじゃないかなあ。」
蜂須賀「…」
清光「そう考えるとさ〜、全部あの人の手の内ってこと？なんかそれって〜、ちょっとムッとしちゃうよね〜。」
蜂須賀「…」
加州清光は手を止めて
清光「…でもさ」
蜂須賀「？」
清光「…主はさ…俺達が真剣に悩んで出した答えなら…それが結果的に間違ってたとしても…認めてくれると思うんだ。」
蜂須賀「…」
清光「…間違ったら、間違ったところからまたやり直せばいいって…ね」
蜂須賀「…そうか」
清光「それに、桜さんも主と同じ気持ちだと思う。」
蜂須賀「桜姫もか？」
清光「うん。桜さんってさ、俺達のこと見守ってくれてるって俺は考えててさ。」
蜂須賀「…」
清光「主とはまた違う優しさがあって…安心するんだよね」
蜂須賀「…そうか」
加州清光は鍛錬を再開し、
清光「うん、そう思うよ〜」
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作者名：ヴォルペ | 作成日時：2023年3月21日 18時
