本田忠勝、いざ参る ページ50
桜姫side
蜻蛉切様の元へ来た私。
物吉・桜姫「「蜻蛉切様」」
物吉「この戦は蜻蛉切様にかかってるんです」
蜻蛉切「しかし…」
「蜻蛉切様なら大丈夫」
物吉「できますよ！」
蜻蛉切「やはり俺があの人を名乗るなど…冒瀆でしかない」
俯いてしまう蜻蛉切様
私と物吉様は蜻蛉切様に聞こえないような声で話す。
「蜻蛉切様は真面目ですね」
物吉「はい。こうなったら！桜姫様、例の作戦で行きましょう！」
「ええ」
内緒話を終えた私達
桜姫・物吉「「蜻蛉切様！」」
蜻蛉切「？」
「あなた様のかつての主、本田忠勝様を冒瀆している方がいます」
蜻蛉切「あの人を…冒涜？」
桜姫・物吉「「はい！」」
蜻蛉切「何処だ？そのようなもの…斬って捨ててくれる！」
物吉「ここに！」
物吉様は蜻蛉切様を指さす
蜻蛉切「…？」
「忠勝様を冒瀆しているのは、蜻蛉切様自身です！」
蜻蛉切「何を言っておられるのですか？桜姫様」
物吉「だってそうじゃありませんか！あなたは今回の任務で忠勝さんが歴史上で果たした役割を演じ切らなければならないんですよ！」
蜻蛉切「だが、それは恐れ多いことだ…」
「それです！その恐れ多いと思っているお気持ちこそが冒涜なのです！」
蜻蛉切「桜姫様…一体何を」
「なれるはずがありません！蜻蛉切様が忠勝様に！心のどこかで忠勝様になりたいとお思いだからこそ、『恐れ多い』という感情を抱くのではありませんか？」
蜻蛉切「そうなのか…」
物吉「別なんです！蜻蛉切様と忠勝さんは別の存在なんです！だから忠勝さんになろうなんて思わなくていいんです！」
蜻蛉切「それで良いのか？」
「はい。蜻蛉切様は蜻蛉切様らしく、この戦で忠勝様への思いをぶつけてくださればいいんです」
蜻蛉切「あの方への…思い」
蜻蛉切様は俯きながらも、ふつふつと思いを溜めていった
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作者名：ヴォルペ | 作成日時：2023年3月21日 18時
