美しく舞う桜 (ページ44)

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戦わなくちゃいけない理由ページ44

桜姫side

足軽たちが去っていった後、安堵する男性

「…大丈夫でしたか？」

？「ああ…なあ、あんたら」

大倶利伽羅「…」

「何でしょう？」

？「・・・戦って…どんな感じなんだ？」

私と加羅は何も言わなかった

？「…実はおらあ、戦は初めてなんだ」

伽羅は黙って去ろうとする。

「加羅、もう少しこの方の話を聞きましょう」

私に呼び止められ、加羅は立ち止まった

？「…怖ぇよ…震えが止まらねえよ」

大俱利伽羅「怖いなら今すぐ抜けろ…お前のような奴は…死ぬ」

「加羅！」

加羅の言っていることも正しい…けれど今かけるべき言葉は、違う

？「くそっ！馬鹿にしくさって…そうはいかねえんだ…おらあには戦わなくちゃいけねえ理由があるんだ」

大俱利伽羅「…」

？「…あんたらは怖くねえのか？」

大俱利伽羅「…戦がか？」

？「ああ」

大俱利伽羅「…わからないな」

「戦は…好きではありません」

？「そうか…きっと、あんたらみてえな奴らが生き延びるんだろうなあ。」

その時、ホラ貝の音が聞こえてきた

？「始まった！よおし・・・行くぞ…行くぞ！」

駆け出していく男性は立ち止り、振り返る

？「おらあ、掛川の吾兵ってんだ。あんたら、生きてたらまた会おうな。」

「お気をつけて」

私の言葉に耳を貸さずに吾兵さんは去っていった

「…加羅、参りましょう」

大俱利伽羅「…」

私の言葉に何も言わずに、伽羅は駆け出していった。