美しく舞う桜 (ページ41)

今日:21 hit、昨日:14 hit、合計:2,276 hit

我らの戦をすべきページ41

永禄三年、五月元康が赤子の信康を抱いている。元康は信康を満面の笑顔であやす

元康「…ふふふ、うい奴じゃ」

全力で信康をかわいがる元康。石切丸が咳払いをする

元康は一転して真面目な表情になり

元康「半蔵」

石切丸「はい」

元康は石切丸に信康を渡す

元康「…元忠、この戦どう見る」

物吉「はい！今川勢の兵力は我々も含め二万。対する織田勢は三千にも満たないでしょう。兵力差から考えれば我々の圧勝だと思われます…ですが…」

元康「？」

物吉「この戦、織田様が勝つと思われます。」

元康「根拠は？」

物吉「はい！幸運は今、織田様のもとにあるからです！」

元康「運が織田殿に味方するということか…」

物吉「はい！」

元康「ふうむ」

複雑な表情を浮かべる松平元康

元康「元忠の見立てが外れたことはない…恐らくそうなるのであろう…しかし今の我らは今川家の者…この戦、どうすれば…」

蜻蛉切「恐れながら申し上げます」

松平元康「なんじゃ？忠勝」

蜻蛉切「結果がどうであれ…我らは我らの戦をすべきかと」

元康「我らの戦か…我らの戦のう…うむ、お主の言う通りじゃ！
三河武士らしい戦をして見せよ！頼んだぞ！忠勝！」

蜻蛉切「は！」

信康が泣き出す

元康「おー、よしよし、そうかそうか、戦は怖いのう、嫌じゃのう、
わしも戦が大嫌いじゃ。」

元康は信康をあやしながらいなくなった。