あなたは神の子を助けた ページ36
桜姫「申し訳ありません。石切丸様」
石切丸「桜姫さんのせいじゃない。それにしても若いねえ。まあ、いいんじゃないかな。向き不向きは誰にでもある。それぞれがそれぞれの戦い方で戦えばいい。今はまだね。」
蜻蛉切「しかし」
桜姫「長い任務になるでしょう…焦らずにまいりましょう」
蜻蛉切「桜姫様がそうおっしゃるなら」
石切丸は頷き、物吉貞宗に竹千代を預ける
石切丸「さあ、物吉君、桜姫さん、まずは何から始めようか」
桜姫「そうですね・・・」
桜姫が悩んでいる中、竹千代が笑う
物吉「ふふ、わかりました！まずはお家が必要ですね！焼け落ちてしまった岡崎城を立て直しましょう！」
石切丸「いいね、そうしようか」
蜻蛉切「力仕事なら任せていただこう！」
桜姫「頼もしいですね。よろしくお願いいたします」
物吉貞宗と蜻蛉切がいなくなる
二人が去って行って方を目で追うにっかり青江
にっかり「・・・」
桜姫「どうかいたしましたか？にっかり様」
にっかり青江「知らなかったんだ。」
桜姫・石切丸「「？」」
にっかり「かつての主達とも…血のそれとも違う…赤ん坊のぬくもり…とてもいいものだね」
桜姫・石切丸「「ええ/ああ」」
にっかり「知らなかったよ」
にっかり青江は少し微笑み
にっかり「そんなことも知らなかったなんて…僕は…少し血を吸いすぎたのかな」
石切丸「にっかりさん」
にっかり「？」
石切丸「前に私に聞いたことがあったよね。僕はなんで神剣になれないんだろうって。」
にっかり「ああ、君はこう答えた…霊とはいえ、幼子を斬ったからだと」
石切丸「・・・」
にっかり「…それがどうかしたのかい？」
石切丸「徳川家康…彼は神になるんだ」
にっかり「…え？」
桜姫「にっかり様は…神の子を助けたのです」
にっかり青江は少し驚き、石切丸と桜姫を見つめる
にっかり青江はいつもの笑顔に戻り
にっかり「…僕も手伝ってこようかな。…このままだと彼は神になれないからね」
にっかり青江がいなくなる。
それを見計らってか桜姫が石切丸に話しかける
桜姫「石切丸様」
石切丸「どうしたんだい？」
桜姫「一人で背負われるおつもりですか？」
石切丸「！？気づかれてしまったか。大丈夫だよ。」
石切丸は泣きそうな目をしている桜姫を見つめ
石切丸「奴らが来る前に、終わらせる」
桜姫「無理はしないでくださいね。約束ですよ？」
石切丸「ああ」
桜姫は石切丸に無理をするなと告げた後、去っていった。
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作者名：ヴォルペ | 作成日時：2023年3月21日 18時
