美しく舞う桜 (ページ34)

今日:2 hit、昨日:14 hit、合計:2,257 hit

子守唄ページ34

岡崎場付近

刀剣男士達がにっかり青江の話を聞いている

にっかり「…遠征任務の帰り道、敵の大群が岡崎城を攻撃しているのが見えたんだ。向かったんだけれど…間に合わなくてね。松平家は全滅…生き残ったのは…この子だけ」

赤子を見つめるにっかり青江

桜姫「…(この子は、これから先どうやって生きていくのだろうか)」

俯く桜姫の頭を優しくなでた石切丸は言う

石切丸「・・想定外の事態だったんだ、仕方ないよ。…よく折れずにいてくれた」

蜻蛉切「…しかし…敵はなぜ岡崎城を」

桜姫「…松平家を滅ぼし、江戸幕府誕生を阻止したかったのでは？」

石切丸「桜姫さんの言うとおりだよ。主もそう言っていた。」

村正「そして、その狙いは達成されてしまった…ということデスね」

重たい空気が流れる。その気配を感じ取ったのか泣き始める赤子

物吉「！」

驚愕する物吉貞宗

にっかり「どうしたんだい？物吉君」

にっかり青江から赤子を受け取る物吉貞宗

物吉「あ～！やっぱり！」

物吉貞宗は嬉しそうに赤子をあやす。すると赤子は泣き止み、笑い始めた

物吉「あはは、笑った！うん、笑顔が一番！」

にっかり「物吉君、その子を知っているの子を知っているのかい？」

物吉「当然じゃないですか！ボクはこの方のお傍でずっとお仕えしていたんですから！」

桜姫「！」

物吉貞宗の言葉を聞いた桜姫は俯いた顔をゆっくりとあげた。

桜姫「それでは、この子は‥」

物吉「はい！竹千代君…後の…徳川家康公です！」

驚愕する刀剣男士たち

石切丸「…この戦…まだ負けたわけではないようだね」

物吉貞宗は嬉しそうに竹千代を見つめる

物吉「…嬉しいです…またあなたに幸運を運ぶことができるなんて。桜姫様！お抱きになられますか？」

桜姫「・・・ええ」

桜姫は竹千代を慈しむように抱きかかえる

そして、

桜姫「(この子が、のちに天下人となる子・・・なんて可愛らしいんでしょう)♪～」

子守唄を歌い始めた

桜姫に続くように、物吉貞宗も歌い始めたのだった