美しく舞う桜 (ページ21)

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黒猫ページ21

慶応四年四月江戸千駄ヶ谷

沖田がいる

柱にもたれかかり、せき込む沖田

沖田「…全く…近藤さんも土方さんも酷いな…また来るって約束したのに…」

そこに黒猫が現れる

沖田「…あれ…猫だ…」

沖田は目線で猫を追っている

沖田「…ごめんな…お前とは遊んであげられそうもないや…」

不穏な空気が漂う

猫「…ふははははは」

沖田「…誰？」

猫「・・・沖田総司」

沖田「…猫が？喋った？」

猫「ふはははは」

沖田「…はははは」

猫「ふはははは」

沖田「…やれやれ…流石に化け猫を斬るのは初めてだな」

沖田が刀を抜いて立ち上がる

沖田「！」

喀血する沖田

猫「ふふふふふははははは」

沖田「…猫にまで笑われるなんて…いよいよかな」

猫「近藤勇が処刑されるなぁ」

沖田「…え？」

猫「捕らえられたんだ」

沖田「…そんな」

そういいながら立ち上がる沖田

猫「場所は…板橋」

沖田「…板橋」

猫「急ぐといい」

立ち上がるものの、倒れてしまう沖田。そして、咳き込む

猫「よきかな。よきかな。」

黒猫が菊紋の形に変わり、消えた。

沖田「…近藤さん」

その様子を見ていた加州清光と大和守安定と桜姫

桜姫「(あの黒猫は…まさか)」

沖田「…行かなくちゃ…近藤さんが」

再び立ち上がるが、すぐに倒れてしまう沖田

加州清光は胸を苦しそうに抑え、何度も何度も何度も叩く

清光「・・・くっ」

その様子を見ていた桜姫は加州のことをそっと抱きしめた。

清光「(桜さんが…沖田君に見える)」

安定「なぁ、清光・・・もし僕が折れる時がきたとしたら、その時お前はどうしたい？」

清光「…安定？」

苦しそうに声を出す加州清光

安定「僕はお前が折れる時…傍にいたい。たとえ、何もできなくても…何も変わらなくても」

桜姫に支えられながら立ち上がる加州清光

清光「…安定」

縋るように大和守安定の名を呼ぶ加州清光

それに、にこりと笑い答える大和守安定

桜姫「(お二人の絆は切っても切れないもの…この先に、何が待ち受けていたとしても)」

大和守安定と加州清光は沖田総司の元へ行く。

その様子を見ていた桜姫は、二人の絆を実感していた。