強い奴には理由がある ページ15
蜂須賀虎徹の元へ和泉守兼定が現れる。
蜂須賀「和泉守」
和泉守「御用改めである！！」
和泉守兼定は抜刀し蜂須賀虎徹に斬りかかる。
それをかろうじて交わした蜂須賀虎徹
蜂須賀「どういうつもりだ！」
和泉守「抜けよ。その派手ななりは見掛け倒しか？」
蜂須賀虎徹が抜刀し、数回打ち合う。
和泉守「おお、良いじゃねえか。あんたは戦う姿もいい。」
蜂須賀「？」
和泉守兼定「刀は見た目だけじゃねえが、見た目がよくて損するわけでもねえ。武器が一個多いってことさ。」
蜂須賀虎徹「？」
和泉守「実用性一辺倒じゃ華がねえ。見た目だけじゃ話にならねぇ。その点、オレはどっちも備えてる。」
蜂須賀「何が言いたいのだ、和泉守！」
和泉守「…あんたはどうなんだ？あんたの実用性はよ」
蜂須賀「・・・」
和泉守兼定は刀を納める
和泉守「大事に飾られてたんだって？」
蜂須賀「・・・」
蜂須賀虎徹が納刀する
和泉守「…いいじゃねえか、それならそれで。」
蜂須賀「…別にそのことを気にしているわけではない」
和泉守「あん？だったらなんで…」
二人の間に沈黙が流れた。
和泉守「なあ」
蜂須賀「？」
和泉守「‥・長曽祢さんの何が気に入らねんだ」
蜂須賀「…」
和泉守「…オレはあんたのことは立派な隊長だと思ってる。だがな、あんたは長曽祢さんのこととなるととたんに目が曇る。」
蜂須賀「…」
和泉守「何か理由があんのか？」
蜂須賀「…彼は戦いを望んではいない…」
和泉守「…だろうな」
蜂須賀「…それなのに…身を挺してまで仲間を助けようとする」
和泉守「…ああ」
蜂須賀「…彼は…強い」
蜂須賀虎徹は天狼星を見上げる
和泉守「…ああ…そうだな…あの人は強ぇ…だが…」
蜂須賀「？」
和泉守「…哀しい」
蜂須賀「哀しい？」
和泉守「ああ、そうは思わねえか」
蜂須賀「…哀しい…哀しいか」
和泉守「オレにはそう見えるぜ」
蜂須賀「・・・」
和泉守「…強い奴にはな…理由があんだよ」
蜂須賀「…理由」
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作者名：ヴォルペ | 作成日時：2023年3月21日 18時
