行かせてくれてありがとう ページ12
蜂須賀虎徹が現れる
蜂須賀「大和守」
安定「…蜂須賀」
蜂須賀「…沖田総司は？」
安定「…清光から聞いていた通りだった…血を吐いたよ…たくさん」
蜂須賀「…そうか」
安定「…うん」
蜂須賀「…大丈夫か？」
安定「…僕は…あの時池田屋には来られなかったから…傍に居られてよかったよ。」
蜂須賀・桜姫「「…」」
安定「…蜂須賀」
蜂須賀「？」
安定「…行かせてくれてありがとう」
蜂須賀虎徹が微笑む
安定「…桜さん」
桜姫「何でしょう？」
安定「ついてきてくれてありがとう。」
桜姫も大和守安定に笑みを浮かべた。
そして、蜂須賀虎徹と桜姫はいなくなった。
敵を引き付けながらやってくる和泉守兼定
和泉守「気合入れろよ。此奴ら邸内の戦闘で疲弊した連中を狩る気だ。絶対に通すんじゃねーぞ！」
安定「疲弊…か。沖田君は…ここで無理をしなければ長生きできたのかな？」
和泉守「さてね。だが、たとえ時を超えても、オレたちにできるのは斬ることだけだ。病は斬れねーよ。」
安定「…そうだね。沖田君の運命は変えられない…変えさせない。誰にも！」
戦闘が始まり、和泉守兼定がいなくなり、加州清光が合流する。
安定「…清光」
清光「…安定」
互いに見つめあう。
清光「…気は済んだか？」
安定「…ああ」
清光「‥・なあ、安定…あの時、あの人が俺を選んだのは…」
安定「清光」
清光「え？」
安定「らしくないぞ」
清光「…安定」
安定「あの人のことなら僕もよく知っている。」
清光「うん」
安定「…あの時…沖田君が僕じゃなくてお前を選んだのは…」
清光「…うん」
大和守安定は悪戯そうな笑顔を浮かべ
安定「たまたまだ」
加州清光も大和守安定の笑顔を受けて微笑み
清光「…ああ、違いない」
二人の笑い声が響いた。そこに、時間遡行軍が現れる。
背中合わせになる大和守安定と加州清光
安定「…敵が多いな」
清光「あははっ。盛大な歓迎だなぁ。人気者は辛いよね」
安定「馬鹿言ってないで、真面目にやるぞ！」
清光「わかってるって。でもさー、孤軍奮闘してたあの人よりは全然楽な状況だしさ、これ。」
安定「はぁ・・・。油断してて、折れたり欠けたりしても知らないぞ？」
清光「…それはぞっとしないな。よし、ちょっと本気出しちゃおっかな！」
加州清光のその声と共に戦闘が始まった。
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作者名：ヴォルペ | 作成日時：2023年3月21日 18時
