美しく舞う桜 (ページ42)

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元の主とはページ42

蜂須賀「なあ、堀川国広、桜姫」

堀川・桜姫「「なんでしょう」」

蜂須賀「君達にとって…元の主とはなんだ」

堀川・桜姫「「・・・え？」」

桜姫のこの問いに顔を青白くさせたが、堀川国広と蜂須賀虎徹はそれに気づかず、話を進めていく。

桜姫「(私のせいで不幸になった姫君もいたのよ…)」

蜂須賀「俺にはよくわからなくてね」

堀川「・・・僕たちにとって…元の主とは…ですか」

蜂須賀「ああ」

堀川「…僕らは…新撰組は…僕達を武器として扱ってくれた最後の人達なんです」

蜂須賀虎徹「・・・」

堀川国広「・・・彼らが斃れた後…時代は変わり、戦の主役は銃や大砲になりました。」

蜂須賀「…ああ」

堀川「最後まで刀にこだわって戦ってくれたんだから…やっぱり好きになっちゃうんですよね、あの人達のこと。」

蜂須賀「…そうか」

堀川「？」

蜂須賀「…俺には…それもわからないんだ」

堀川「どういうことです？」

蜂須賀「君達が戦っていた頃…俺は飾られていたからね。」

堀川「・・・あ」

蜂須賀「・・・桜姫はどうだ？・・・桜姫？」

堀川「桜さん？・・・！？顔色が悪いですよ！？大丈夫ですか！？」

ここまで来た時、桜姫の顔色は真っ青に染まっていた

桜姫「…あ。元の主とは‥でしたね」

堀川国広「(桜さん…どうしちゃったんだろう？)」

桜姫「私は…嫁入り道具として使われていました。戦で使われる刀ではありませんでしたが、多くの姫君の幸せを見届けることができて…幸せでした。」

蜂須賀虎徹「そうか・・・」

桜姫は自分の話をし始めると、顔色が少しずつ元に戻っていった。

桜姫「(今は任務のことを考えなければ…)」