大好きな彼女に別れを告げられたけど理由を教えてくれないので及川さんは今日もあの手この手で彼女を引き止めようと努力しているようです。【HQ】

別れないから ２８ ページ28

【Aさんside】


『…』

及川「あははっ、そんな顔しないでよ」


ここは保健室
徹は応急手当をしてもらった
当然今日の練習試合は不参加
これから親が来て病院に行くらしい
だからそれまでここで待機


及川「まさかバスケットゴールが落ちてくるなんてね。俺初めて見たよ(笑)」

『…』

及川「あ、A指怪我してる」



そう言われて右手の中指を見た
切れていた
きっとあのときだ



及川「俺怪我ない？って聞いたのにー」

『こんなの気づくわけないじゃん…』

及川「あはは、だね。絆創膏取って」

『え、絆創膏？』

及川「そこの棚にあるでしょ」




言われた通りに棚にある絆創膏を取って渡した




及川「よし、じゃあ怪我した指見せて」

『…うん』




そっと中指を出すと徹は傷口に絆創膏を貼ってくれた




絆創膏を貼り終わっても尚、徹は手を離してくれなかった




『…どうしたの？』

及川「ん、なんか、嬉しくて」









…嬉しい？









及川「ここ最近、Aに触れてなかったから」

『！…』

及川「さっきもね、俺のこと“徹”って呼んでくれたのが久しぶりすぎてちょっと感動しちゃった(笑)」






歳取ると涙もろくなるのほんと何なんだろ


徹はおじいちゃんみたいなセリフを言った

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