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〉Aside
石川「 いよいよだな！ 」
『 うん。がんばらなきゃ 』
石川「 応援行くから、俺 」
『 やめてよ。緊張しちゃう 』
石川「 なんでだよ。笑 」
彼が隣に立つと、私の心臓は激しく波を打つ。
そんなこと、絶対彼には悟られたくないけど。
『 冗談。見ててね、絶対切符とってみせるから 』
石川「 頼もしいな。笑 」
大きな手のひらが私の頭をいとも簡単に包み込む。
前に、「 お兄ちゃんがあんなことするの、Aちゃんだけですから！ 」なんて真佑に言われたことがあるけど。
こんな手慣れたスキンシップ、絶対に私だけじゃない。
石川「 もう戻ったら？疲れ残ったらどうすんだよ 」
『 サーブ練だけしたら戻るから、先戻ってていいよ 』
石川「 じゃあ一緒にやろ 」
そう言ってコートの反対側に向かった彼の大きな背中に、「 勘違いしちゃダメだ 」と自分の胸に釘を刺す。
大会前にこんな浮かれた気持ち、絶対に捨てないと。
石川「 先打っていいよー！ 」
『 はーい、行くよー！ 』
天井に向かって高く投げ上げたボールに、私の全体重を乗せて相手コートに打ちつけた。
だけどそのボールは、コートに落ちる前に彼の腕の中へと吸い込まれていって、ようやく落ちたのはセッターの定位置。
見事なAパスだった。
『 もう！自信なくすんですけどっ！ 』
石川「 ははっ、ごめんごめん。笑 」
『 悔しい〜 』
石川「 普通に重かったよ？取りずれぇ変化してるし 」
『 あ、まじ？ 』
石川「 単純かよ！笑 」
落ちたボールを拾ってエンドラインに向かう彼と、コートの中に立つ私。
振り返った彼は、半ば呆れた顔で手を振った。
石川「 怪我しそうで怖いからやめて 」
『 祐希だって拾ったんだから、私もやる 』
石川「 それはわけが違うでしょ。笑 」
『 いいから！絶対あげてやるもん 』
笑ってため息をついた彼は数回ボールをついて、「 あげれるもんならあげてみろよ 」と口角をあげた。
高く投げ上げたボールはシュッと微かにネットを掠めたような音がして、気づけばもう私の目の前にきていた。
鉛のように重いボールの勢いを殺すように柔らかく沈んだ私の腕を離れ、ふわりとあがったボールはアタックラインに落ちた。
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LIL. - ゆりさん» コメントありがとうございます。まとまりのないお話ですが、楽しんでいただけるよう頑張ります！ (10月23日 11時) (
レス) id: 34a88b14c2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - めちゃめちゃ続きが気になります！これから更新楽しみにしてます！ (10月10日 12時) (レス) id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LIL. | 作成日時：2023年10月10日 0時
