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Aside
こーちゃんの部屋を出て、
適当に知らない人の家に入り込む。
『失礼しまーす、』
まぁ、見えてないし聞こえてないんだけど。
一応ね?
『あー...見てないねー...』
他の家を求めて外に出る。
二つ目に入り込んだ家に “ それ ” はあった。
いや、映されていた。
『カイー...!』
生きてる時から毎週楽しみにしてた、カイの出てるドラマ。
生前は箱推し8号車だった私。
8号車としてすべき事は、死んでも欠かせなかった。
1時間ほどしっかりカイの活躍を目に焼き付けて、こーちゃんの部屋に戻る。
部屋に戻ると、こーちゃんは夜ご飯を食べていた。
食レポもせずに淡々とご飯を食べるこーちゃん、
というよりもこんな静寂の中にいるこーちゃんがレア。
脱退の前からあの “ あひゃひゃ! ” って笑い声は少なくなっていたものの、他のメンバーがワイワイと騒いでたわけで、
こんなこーちゃんを見ることはあまり無かった気がする。。
『ただいま。』
気合いを入れて姿を現わすと、
晃一「うおっ、」
って一瞬驚かれて
晃一「お前、どこ行ってたん」
って話しかけてくれた。
『お散歩。』
小さな嘘は
流石に今、こーちゃんにメンバーの話題を出すのはマズイかな、なんて。
晃一「そか。
急に消えるからびっくりしたわ。」
『ごめんね、』
こーちゃんは、底無しに優しい。
こんな死人でも、普通に接してくれるんだ。
他の人だったら怯えたりするのが当たり前だと思う。
だって死んでるんだもん
幽霊なんだもん
お化けなんだもん
______普通じゃないんだもん
晃一「なぁ、明日ってこの時間ここに居れる?」
『??
うん、まぁ、こーちゃんが良いなら...』
晃一「あほ、
いつでも来いゆーたやろが。」
『え、まぁ、一応そうなんだけど
ここはこーちゃんのお家だから。』
晃一「ええの。
ここは俺の家やけどお前の家でもあるんやから」
私の、家...?
晃一「俺が勝手にここがお前の家と決めた!
だからちゃんと毎日夜だけでも帰って来い。
顔見せてや。」
『パパみたい...』
晃一「俺とお前は今日から家族やからな。
これがホンマのお父さん担当や!」
久々にこーちゃんの口から聞いた “ お父さん担当 ” は
言葉では言い表せないくらい温かくて
『......っ、』
気が付けば私は涙を流していた。
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ゆー(プロフ) - 初めまして!まずは完結お疲れ様でした!コーちゃんの今の姿を作品にしている物語はほとんどないのでとても楽しんで読みました!そして超特急の離ればなれになっても壊れない強い絆を見ることが出来ました!本当にこの作品を書いて下さってありがとうございました! (2018年8月26日 2時) (レス) id: 0d8c219145 (このIDを非表示/違反報告)
影片りな(プロフ) - 完結お疲れ様でした。 やっぱり悲系は良いですね 新作楽しみにしてます。 (2018年6月30日 17時) (レス) id: 537ffb3acd (このIDを非表示/違反報告)
さーちゃんまん(プロフ) - すごく感動しました。完結までお疲れさまでした!ありがとうございました。 (2018年6月29日 21時) (レス) id: 419d84e20f (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - 泣いちゃいました(;_;)このお話すごく好きです!!更新楽しみにしてます!! (2018年6月13日 23時) (レス) id: 6f490492dc (このIDを非表示/違反報告)
影片りな(プロフ) - 更新まってます! (2018年6月3日 0時) (レス) id: 537ffb3acd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あっしゅ | 作成日時:2018年4月21日 12時