超特急の姫。 part3

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「いや、ここはこっちの曲の方が...」



「この曲最近やってないからやりたいな 」



「いや、でも...」


打ち合わせが始まりみんな自分の意見を発信していく。



その意見をみんなで協議してコンサートを形作っていく。



私はまだ発言出来るほどコンサートというものを知らない。


ただただ必死で置いていかれないように、
メモを取り続ける。



ユーキ「アユは？


やりたい曲とかない？」


カイ「自分だったらこういう曲聞きたいな！とかでもいいよ。」


自分だったら...


私がファンだったら...

って、それは今もだけど。



『うーん...

季節の曲は特に聞きたいなって思うし、


あとはあんまりやらない曲とかを見れるとすごく嬉しいかな。』



定番の曲はもちろん聞きたいんだけど、
でもそれだけでは少し物足りない。


ライブで久しぶりに見る曲は特別に感じられたりするものじゃないかな。



リョウガ「なるほど...」


タカシ「勉強になるなぁ、」


『いや、あくまでも個人的な意見だから
ファン全員がそう思ってる訳じゃないけど...』


コーイチ「ええねん。


そうやってどんどん思ったこと言ってくれた方が
より良いライブになるやろ？」


そう言ってコーイチは優しく笑ってくれた。


タクヤ「...他には、」


え、ほ、他...？



タクヤ「そんだけ？

お前だったらどういう曲があるライブが楽しい、とかないの？」


『あー...


やっぱり合いの手とかコール、かな。


いっぱいある曲はファンのみんなも一緒になれるから楽しいんじゃないかな...？


...ってそういう曲は定番化してるか、、』


タクヤ「いや、それでも良い。」



ただただ真剣なだけなのか


機嫌が悪いのか



いつもより更に低いトーンでぶっきらぼうに物を言うタクヤ。


聞きたいことが終わるとすぐスタッフさん達の方を向き直して話を進めていた。




タクヤが気になるけど今は打ち合わせに集中！


自分にそう言い聞かせて
私もホワイトボードと睨めっこを再開した。







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