超特急の姫。 part2

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ガチャッ


『遅くなりました...』


電車に乗ってる時間で私は冷静さを取り戻し、
これは現実だと再認識した。

今の私に期待も勘違いも存在しない。


「悪いな。仕事終わりに呼び出したりして。」

『大丈夫です、

ご迷惑をおかけしてすみません、』

「先生は隣の部屋にいらっしゃるから。」

『はい。

本当にすみませんでした...。』

「お前が謝ることじゃない。」

『失礼します。』


社長室を後にして隣の部屋に入った。


ガチャッ

「A...！」

『ここだと事務所に迷惑がかかります。
話があるなら場所を移動してから聞きます。』


「あ、あぁ...」


事務所を出て人気のない場所に移る。
夜でよかったな、と思う。


『迷惑です。
いきなり事務所に押しかけるなんて。
大人としてあり得ないですよね。
今更何しにきたんですか？』


久しぶりに見た顔は私が最後に見た時と変わってなくて、時間の流れなどないように感じられた。

「ごめん...

今日テレビつけたらAが映ってて...

それで、ちゃんと離れてA思ってたことも伝えたかったし、
Aが言いたかったことも聞かなきゃって思ってつい...」


.......ふざけてくれるな。


自分勝手すぎる。


何自分を美化してんだ。


『.........ぃよ。』

「え？」

『あんたに言いたいことも、

あんたから聞きたい言葉もない。



全部今更なんだよ。



そんなの目的じゃないでしょ？



私が芸能人になったから仲良くしとこうって思っただけでしょ？』


もう、これ以上私を振り回さないで...！


『仮にあなたの言ったことが本音だったとしても


あなたの言葉なんて聞かない。



だって普通に考えてもおかしいでしょ


たかがそんなことで事務所押しかけて
たくさんの人に迷惑かけて。


私はこれからもあの事務所にお世話になるんだよ？


そんなことも考えられない人が私に懺悔も何もするわけがない。』


「それは...

本当に申し訳ないことをしたと思ってる。。



でも、でもどうしても会いたくて...



本当なんだ。

また後日、事務所にも行って謝罪しようと思ってる。


俺はただ、Aとやり直したかっただけなんだ...


失ってはじめてAの大切さに気付いた、なんて許されない事だってのは分かってるんだけど...


でもそれでも、Aは大事な存在なんだってことを伝えたくて...」



やめて


『私は...

またあなたに振り回されるの...？』

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