異世界日常生活 (ページ13)

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ついていくページ13

わたしは一目惚れという単語に驚きを隠せなくて一方的にまくしたてた

「そ、それは飛躍しすぐじゃ？単純にわたしを可哀そうに思って庇護欲を感じただけだと思うんです！勘違いですよ！」

楠木さんはまぁまぁとわたしを制し

「そう言うだろうなとは思ったけど、自分の恋愛感情を本人に否定されるのはつらいな」

ハハッと苦笑いする楠木さんに罪悪感が湧く

「でも・・・」

「とりあえず俺の話を聞いてほしい」

わたしは何かあるのだろうかと思いとどまり黙る

「ありがとう・・といっても一目惚れってやつは確固たる理由を説明するというには難しいな
君の持つ空気感が俺の心を掴んだそれがきっかけで面会を繰り返すうち君を欲しいと思った
第六感っていうのかな、そこには君が可哀そうだからなんていう善意はないんだ俺の我が儘とも言えるが勘違いだなんてことは絶対ないし、簡単に手放すような軽い気持ちなんかじゃない」

楠木さんは見たこともない真剣な顔でわたしを見据えて目を逸らさない

明確な理由がないけど好きだなんてことあるのだろうか、彼に何が見えているのか興味があった

彼が嘘をついてるように見えないし本心から好いてくれているのが伝わってそれだけで十分だ

「わかった・・信じる」

「ありがとう・・正直信じてもらえなかったらどうしようかと思ったよ」

安堵し息をついている楠木さんを直視できずにさっきの問いに答えることにする

「最近悩んでることがあって、それは楠木さんにも関係していることで引きこもっていたんですけどこれからは面会を断り続けるとかしないので大丈夫です寧ろ愛想をつかさずそう言ってもらえて嬉しいです」

恥ずかしくなりながら精いっぱい答える

楠木さんは少し震えその後何事もなかったかのように、冷静になるほどと合点がいった様子で考えこみ目を瞑る

？

しばし閉じていた目を開き提案を話し始める

「俺も関係しているのなら、みつるちゃんの悩みを解く手助けをさせてくれない？少しずつでいいから」

とても怖いけどこの悩みはほっといても良い方向なんかにはいけない、この手を取れないのなら本当にわたしは人形のようになって暮らしていくしかないのだろう

だからこそ一歩ずつ踏み出そう

わたしを底から絶対引っ張り上げて手に入れてみせるという彼の気迫を信じてわたしは甘えることにした

誰になんと言われようとも彼についていく