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．
「どういう意味？」
曖昧なことってなんだろう。
私なんかまずいことした…？
．
『お前のそういうの何なん？天然なん？』
．
「そういうの…って？」
するとしげは大きな溜息をついた。
『好きやないん？神ちゃんのこと』
それはきっと…異性として、って意味だよね。
．
「好きじゃないよ」
するとしげの眉がピクッと動いた。
「でも、好きって言われた」
．
「私も好きだよ、って言えばよかったのかな？そうすれば、神ちゃんはきっと嬉しがってくれたんだよね？きっと今頃私の隣で歩いてたんだよね？そうすれば、幸せになれたのかな？」
．
こんなの、思春期の女子高生が言う言葉じゃない。
神ちゃんにも申し訳ないし、こんなこと聞かされてるしげにも申し訳ない。
．
「何でだろう。わかんない…」
好きなのか、好きじゃないのか
そんな事じゃなくて
私がわからないのは
．
『好きって、どういうことか？』
．
そう、…って
「え？」
『顔に書いてんねんもん』
．
そうだ。
しげは、私の心の中を見透かしてる。
私が何を言いたいのかも、私が何を考えてるのかもわかってる。
．
「なん…で」
そうしてまた、私の頬を涙が伝う。
初めての涙が見られてから、涙腺が壊れたんだろうか。
．
神ちゃんみたいに社交的じゃないし地味だし、自分からあまり話しかけてこない。
急に太陽のように笑ったかと思えば、別人のように冷めた顔もする。
そして、たまにすごく優しい。
そんなしげの前で、どうしてこんなにも感情が溢れてしまうの？
．
「何で…しげといると、こんなに感情が溢れちゃう」
．
自然と口から出てきた言葉。
「教えて…？しげ」
．
「好き、って何なの？」
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作者名：さな | 作成日時：2017年9月24日 18時
