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見覚えのある背中。
見ただけじゃわかりにくいけど、きっと鍛えてるような男らしい感じ。
サラサラした黒髪。
…間違いない。
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「…しげ？」
「…おう」
特に驚くこともなく、軽く頭を下げる。
「びっくりした〜！こんな時間に何してるの？」
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「お前らこそ」
そうだ。私たち、お祭りの帰りだった。
ふと隣を見ると、神ちゃんは明らかに不機嫌そう。
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「あ、お祭りに「祭り、二人で行ってた。しげ、一人で居りたいやろ？邪魔せんと」
わかりやすく遮られた。
「ほんじゃ。またな、しげ」
そのまま手を取られる。
「え、ちょっ…」
*
また神ちゃんは一人でずんずん歩いてく。
と思ったらピタリと止まった。
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「…ごめんほんまに」
「もうわかっとるやろうけど、俺かなり嫉妬しいやねん。今日の俺ほんまにカッコ悪いとこ見せすぎてるし、嫌われてもしゃあないよな」
「全然大丈夫だよ」
これは本心だ。別にそういう行動をカッコ悪いとも思わないし、不快に感じたこともない。
ただそれ以上の感情がないだけ。
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「どこまで優しいねん。ますます好きになるわ」
神ちゃんは頬を赤らめて照れ笑いをした。
「ごめんそろそろ帰ろか。送ってくな」
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こうして、私の初めてのデートってやつが終わりました。
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作者名：さな | 作成日時：2017年9月24日 18時
