かくしごと ③ ーKEIー (ページ21)

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唇を離すと、潤んだAの瞳が目に入る

二人の蒸気があたりを包んで、暑くなってきた…

「ふとしたときに、ここ学校なんだって我に帰っちゃうんだよね

　すごいイケナイことしてる気持ちになる…」

『学校でしてるっていうのが逆にそそるんだよ…』

「慧さんいつからそんな変態になったの//」

学校でイケナイことしてるっていう背徳感がいいんだよ

純粋ちゃんには到底理解できないだろうけど

『我に帰んないように俺に集中して？』

舌で唇をなぞると、自然に受け入れてくれるA

俺もAも探りながらだけど、深いキスに慣れてきて余裕ができてきた

手の置きどころに困って、

俺の背中の服をぎゅーって握ってるのが愛おしくてたまらない

そろそろ止めないとやばいと思って、力強く抱きしめると、

肩を上下にして呼吸するAの蒸気が伝わって理性がぶっ飛びそうになった

『苦しくない？大丈夫？』

「うん、ちょっと呼吸の仕方忘れた笑」

『それ全然大丈夫じゃないじゃん』

「私いつまで経ってもこんななのに、慧さん乱れてなくてずるい…」

不貞腐れて睨んでくる上目づかいが可愛い…

俺だって最初の方ゼーハーだったし、慣れるまで時間かかったけどなぁ

『Aはそのままでいいの！ゆっくりでいいんだよ』

「でも私だけ子供って感じがして…」

キスしてる時点で子供じゃない気がするけどなぁ…

『そこがいいのに……あっ！！』

「えっ何！？」

『後夜祭の最後に花火があがるんだよ

　一緒にみよ』

外を覗くと、校庭に花火を見るために集まった生徒たちが見えた

　どこか二人きりで見れる場所ないかな…

頭の隅に思い当たる場所が思い浮かんで、彼女の手を引いて図書室を飛び出した

「ちょっと慧さん！！」

『花火があがるまで時間ないから急ぐよ！』

校舎内の電灯はすべて消灯していて真っ暗だけど、

毎日のように通ってる道だからわかる

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「ここは…」

『理科準備室。ここ4階だし、花火綺麗に見れると思うんだ』

花火見るにはとっておきの場所

「楽しみだね」

とろんとした目で空を見上げる横顔に、心を奪われていた