かくしごと ③ ーKEIー (ページ20)

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ｓｅｃｒｅｔ１１８ページ20

＿後夜祭開始時刻16:30

校舎に生徒が誰もいないことを確認して図書室に向かった

驚かせようと思って覗いてみると、
今日も文化祭仕様なのか綺麗に巻かれた髪が目に入る

後ろからそーっと近づいて行って、

セーターから覗く真っ白な肩にカプッとかぶりついた

「んっ…！？」

普通じゃありえない状況に目をこれでもかというぐらいに開けて驚いている

俺ってことに気づいてるよね…？

『がぁー血吸ってやろうか～』

もう一度牙を出して噛みつこうとするけど、その企みはAの好奇心によって止められた

上から下までじっくり見て、顔を穴が開くぐらいじーっと見られる

「すごいねこの牙、え、アイシャドウ塗ってるじゃん！」

　アイシャドウ…？

『勝手に顔いじられたからどうなってるか自分でもわかんないんだよね』

「髪もすごいね、どうなってるのこれ」

俺の話も聞かないで、後ろに回って確認しようとするから

手を捕まえて抑制する

『二人でいれる時間少ないんだからこっち来て』

手を引いてそのまま抱きしめる

「ごめんね慧さん、でも反則なぐらいかっこいいのがいけないんだよ」

『Aも可愛すぎてやばいよ…』

視線を合わすと自然と顔が近づいて

唇が重なった

「かたいっ！」

重なった瞬間に離れた2人の距離

俺もすぐにその違和感に気づいた

『ごめん、牙つけたままだった笑』

「もう、硬いからびっくりした…」

『あまりにも自然で気づかなかったよ、仕切り直して』

唇を寄せると柔らかい感触

何度も何度も合わさるその感触がクセでやめられない