かくしごと ③ ーKEIー (ページ17)

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生徒が帰って閑散とした学校

タイミングを見計らって図書室に忍び込んだ

一目でAを見つけて

楽しそうに鼻歌を歌いながら作業している背中を後ろから包み込んだ

『やっと会えた…』

「慧さん…」

Aが正面を向いていつもと違う雰囲気をいち早く察知した

くるくるに可愛く巻かれた髪

目もいつも以上にきゅるきゅるしてて最高に可愛いんだけど…

『うわぁ～』

思い切り抱きしめてぎゅーっとしめつける

悔しい…

俺より先にこの可愛いAを見た人が何人もいるなんて

「苦しいよ…//」

力を緩めて、くるくるに巻かれた髪に指を通す

『自分でやったの？巻くの珍しいね』

「文化祭だから頑張ってみた

　上手く巻けたかな…？」

『なんでも似合うからいいんだよAは』

「もう、そういう答え求めてないっ//」

嫌そうに言うけど、頬が赤くなってる

本当に可愛いんだから

『明日、空いてる時間ある？』

「明日も古本売るから文化祭が終わったら今日みたいに空いてるよ

　慧さんこそ空いてるの？」

『明日は金券担当じゃないから今日よりは空いてるかな

　文化祭終わったら、図書室に来るよ』

そういえば、明日は文化祭のしめくくりとして後夜祭があるから

生徒たちは学校に残れないし、教師もほとんど後夜祭を見に行ってるはず

最後の最後だけど二人で会えたらいいな…