かくしごと ③ ーKEIー (ページ2)

今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:9,981 hit

ｓｅｃｒｅｔ１００ページ2

・

「慧さん見てみてっ＿」

「あっ！クラゲだ！可愛い～」

まるで好奇心旺盛な子供のように水族館内を自由に駆け回るA

キラキラした目を水槽に向ける横顔に

　ぎゅんって胸がしめつけられる

「あの子すごい慧さんに似てない？」

『ん？どれどれ？』

「ほら、はじっこで静かにしてるあの子
　眠そうで可愛い」

『似てないって、俺がいつも眠そうにしてるって？』

「んふふ、いつも午後慧さんすごい眠そうだよ？

図書室来るときいつも思うもん。今日絶対眠いなーって」

『まじか、』

外に出ると、亀やアシカなど魚以外のたくさんの生き物がいた

　ペリカンまで

『シャチのショー見たい？』

「見たい！！シャチのショーなんて初めて聞くんだけど」

ショーの会場まで行くと、まだ30分前ということもありぼちぼち前の席が空いていて

せっかくだからと前から3列目の席に座った

一応ポンチョも買って準備万端

「テレビでイルカのショーとか見たことあって、一度は行ってみたいと思ってたんだよね

　でもシャチのショーってどうなんだろうね」

『イルカのショーは小さい頃行ったことあるけど、

結構後ろでも水飛んできてたから3列目って結構濡れると思うよ』

「シャチも見れて、同時に涼しくしてくれるなんて最高のイベントだね」

・

・

ショーの開始のアナウンスが入ると、

2匹のシャチがトレーナーと共に登場し、大歓声が起こる

「おっきい…」

『シャチかっけーな笑トラックぐらい大きいんじゃない？』

「ホント？いや、本当かもしれない…」

二人で迫力ある大きなシャチに目を奪われていると、

突然目の間に黒い物体が現れたと思ったら、

すごい勢いで水しぶきがはじけ飛ぶ

ばっしゃーん！！と音とともに全身から水をかぶる

一瞬の出来事に二人で目を合わせたとき、2回目のジャンプ

　再び全身に水を浴びる

「あはは、楽しい～！！」

『やばいやばい、びちょびちょなんだけど！

気持ちいい～！！！！』

パフォーマンスが終わるころには、

濡れることに抵抗なんてなくて、純粋にシャチの繰り出す技に夢中になっていた