かくしごと ③ ーKEIー (ページ5)

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ｓｅｃｒｅｔ１０３ページ5

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「うわぁ、、、、、」

二人して趣ある大迫力の宿の前に立ちすくむ

何百年も前から続く伝統ある宿らしいけど、貫禄がすごい……

「なにここすごいっ」

『凄いね、こんな所泊まったことないからビビってる』

特別な旅行だから奮発したけど、

今にも雰囲気に飲み込まれそうで心臓がばくばくしている

「ねぇ、早く部屋行こうよ。絶対綺麗だよ～」

緊張している俺とは反対にウキウキしてるA

好奇心旺盛なとこ、何にも怖がらない精神の強さは憧れる…

チェックインを済ませて

部屋の前まで来ると、鍵を開けた瞬間一目散に部屋に駆け込んだA

こういう所は子供っぽいんだから…

部屋の中からはしゃいだ声が聞こえる

「慧さん！！やばいよ！」

『はいはい』

一面に広がる畳

Aが先に出ていたバルコニーに出ると、夕日が沈みかけの綺麗な海が見える

『綺麗……』

「やっぱり海好きだなぁ……ずっとここにいられる…」

バルコニーには

向かいの席が設備されていて、そこで夕飯まで休むことにした

「慧さんが告白してくれた日も一緒に夕日見たよね」

『あぁ、なんか恥ずかしいな…… 思い出すだけで震える』

「えーなんでよ、慧さんが一生懸命に考えてくれた告白すごく嬉しかったよ？

月が綺麗ですねって」

『やめてよ、恥ずかしいじゃん／／』

「ロマンチックで良くない？

でも慧さんが言葉の意味知ってるのかすごい悩んだんだからね」

『反応してくれないから焦ったわ笑』

「だって勘違いだったら恥ずかしいじゃん」

思い出話に花を咲かせていると、

あっという間に時間が過ぎトントンとドアを叩く音が聞こえた

「ご飯じゃない？」

『え、もうそんな時間！？』

「ふふ、慧さんと喋ってるとホント一瞬。

ほとんど内容のない話なんだけどね笑」

内容のない話でも楽しそうに聴いてくれるからついつい口が達者になっちゃうんだよ

こんな素の自分をさらけ出せるのはAだけ