かくしごと ③ ーKEIー

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ｓｅｃｒｅｔ９９ページ1

待ち合わせの時間になっても現れない…

やっぱり駅集合じゃなくて車で迎えにいってあげれば良かったかな

Aにしては珍しい遅刻にそわそわしてると、
ガラガラスーツケースを引きながら必死に走ってくるAが見えて一安心

「慧さんごめん！！」

『大丈夫？なんかあった？』

「今日が楽しみすぎて昨日の夜遅くまで起きてたからかな…

　ちょっと寝坊しちゃった」

絶対寝坊しないぐらい朝が強いAにしては珍しい寝坊だけど、

その理由が今日が楽しみすぎて遅くまで起きてたって可愛すぎる

まぁこんなこともあろうかと遅めに時間設定しといてよかった

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クーラーの効いた電車から降りると、

生温かい熱風が目の前をよぎる

駅のホームに差し込む日差しがじりじりと反射してまぶしい

「海水浴日和だね」

『俺やばいかも…』

昔から暑さに弱い俺は、夏はなるべくクーラーの効いた部屋で過ごしていたんだけど

　真夏となるときびしい…

修学旅行はなんとか耐えられたけど、今となっては毎日30度を超える気温

こんなんでクラクラしてたら情けない

Aもめっちゃ白いけど暑さとか大丈夫なのかな…？

『A、暑いの平気？』

「ある程度なら… 夏好きですし」

『なんでそんな白いの！？』

「努力してるんですよっ

日焼け止め塗ったり、帽子かぶったり、長袖着たり、」

そういえば今日の服装も

涼しげな長袖のワンピースに日傘

俺なんもしてないけど大丈夫かな… 死なないよね…

駅のロッカーにスーツケース預けて、

再び電車に乗って目的地へ

建物の外見やオブジェから何の場所なのかが分かる

「慧さん……ここってもしかして…」

口に手を当てて目を輝かしているA

『水族館だよ

大きいでしょ？記念に写真撮ってもらおうよ』

Aの手を引いて大きなシャチのオブジェの下に並ぶ

写真はたまたま通ったカップルの人にお願いして撮ってもらった

「シャチもいるのかな？」

『楽しみだね』

プレゼントしたチケットを取り出して、

A人生初の水族館に足を踏み入れた