目を逸らす ページ5
Aは目立つ。いい意味でも、またはある意味悪い意味でも目立つ。だっていつも女の子の友達ではなく佐鳥と一緒にいるのだから。それを女子がどう思っているのかはわからないけど、あいついじめられてたりしないよな。そんな無駄な心配をしたことはあるけど、Aは別に話しかけられればそれなりに愛想よく応対しているらしいし、上手くやっていんだろう。
話は脱線したけど、目立つからAと佐鳥を見つけるのなんて容易だ。
何やら話している。どこか違和感のある二人だった。いつもの楽しそうな、弾んだ会話をしているようには見えなかった。だからいつものようによお、なんて笑いながら近づくことはできなかった。黙って、二人の方へと足を進めた。なんだろあいつら、なんかあったのか？そんな、気持ちだけで。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
佐鳥「…Aはどうなの？」
喉まで上がってきた言葉を吐き出すのに時間がかかりそうだった。ご飯を食べている。だから、お腹の方へと感情を下へ下へ押し込んでいるはずなのに。この言葉、喉で使えてるこの言葉はどこで生じたんだろう。飲み下して、下してしまいたいくらいなのに。
A「私は―…」
ふと浮かんだ、出会った頃のこと。
私最初は別に出水先輩の事、特に意識したことはなかったはずなんだけど。
手に触れた、あの一瞬で何かを確信した。
普通に触れてみたいと頭が騒いでた。
A「私、好きなんだと思う、出水先輩の事」
そうだろうねえ、と佐鳥派にんまり笑った。
でもそれはすぐに、すっとわかりやすく真顔に戻って、ちょっぴり困ったように眉毛を下げた。
佐鳥「Aのことずっと見てるから、それはわかってたけど…なんか俺、変だね。それを最近ずっとAに言わせたかったんだ」
眉毛を下げたまま、今度は笑った。
ずっと見ていたという佐鳥とは学校でいつもこうして一緒にいるし、わかりやすい私なのだろうからやっぱり察しが良いようだった。
でも、察しの良い佐鳥も、そうであるのかわからないAも、この会話を第三者が気いているなんて思いもしなかった。なにせ、彼らは彼らの気持ちに浸ってしまっていたのだから無理もないけれど。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
好きなんだと思う、出水先輩のこと。
顔に熱が集まるのを感じて、心臓の鼓動も心なしか早く、いつも心臓なんて気にしないのに脈を打つ感じが大きく思えてしまった。
―――聞いてしまった。
出水は逃げ出すように食堂をあとにした。
続く
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サスケ，(プロフ) - めっちゃ面白いです！！更新再開して、これからも頑張って下さい！！続き待ってます！！ (2018年3月8日 22時) (
レス) id: 179e87a62a (このIDを非表示/違反報告)
無彩色 - 続きが凄く気になります!更新待ってます。 (2017年8月26日 16時) (レス) id: b095540e8b (このIDを非表示/違反報告)
ずぼぼ.(プロフ) - いずみんさん» 一気読みしてくれのですか！！！嬉しいです！今更すみません！（汗） (2016年4月2日 20時) (レス) id: f26522e649 (このIDを非表示/違反報告)
いずみん(プロフ) - 一気に続編まで読んじゃいました！ぜひ更新して下さい。期待してます。 (2015年12月31日 22時) (レス) id: a1c716d61a (このIDを非表示/違反報告)
ずぼぼ.(プロフ) - 招き猫の子孫さん» 自分もさとりん大好きなので揺れてますwww読んでくれてありがとうございます！ (2015年9月28日 9時) (レス) id: 895d8b7fcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ずぼぼ | 作者ホームページ：http://lyze.jp/vmysayu/
作成日時：2015年7月8日 14時
