錦戸の日 ページ15
如月 side
ｼｬｰｰｰｰｰｰｰ
如月(はぁ、私人の家で何してるんやろ…)
ー遡ること10分前ー
錦戸(お風呂入ってくる？)
如月(うん！)
錦戸(後で着替え置いとくわ)
如月(ありがとう、)
こうして、私は今好きな人の家のお風呂に入っているのです。
如月(これ、亮ちゃんのシャンプー…////)
亮ちゃんのシャンプーはめちゃくちゃいい匂いですごく好みな匂いやった。
如月(どこのやつ使ってんねんやろ？)
パッケージを見てみると、Mocoと描かれていた。
如月(これ……)
まぎれもなくこのシャンプー女もんやった。まぁ、女もんがあるからって言うても最近の男の人はみんな女もんのシャンプー使うもんな〜…笑
ｺﾝｺﾝ
錦戸(服、外置いとくな〜)
如月(あ、はーい！)
そのまま結局そのシャンプーを使って頭を洗った。
如月(めっちゃいい匂い…)
亮ちゃんのいい匂いはこのシャンプーが原因やったんかって思うくらい。
錦戸(おかえり！さっぱりした？)
如月(う、うん亮ちゃんこのシャンプーいい匂いだね)
錦戸(せやろ？教えて貰ってん)
如月(そうなんだ…ははは、)
教えて貰ったのって女の子からなんだろうな。亮ちゃん、だってこれ女もんのシャンプーだもん。
亮ちゃんのいい匂いは他の誰かと同じ匂い、そう思うとすごく嫌な気持ちになった。
如月(私、なんだか疲れちゃったから先に寝るね)
錦戸(あ、うん！また明日おやすみ。俺はお風呂入ってから寝るわ)
如月(うん…)
私はそのまま寝室に、亮ちゃんの家のベッドはすごく大きかった。
如月(ベッド大きい…)
私の家のベッドも大概だけど、亮ちゃんの家のベッドはもっと大きかった。
私は後から来るかも知れない亮ちゃんを配慮しベッドの隅っこに寄り、申し訳ない気持ちのまま横たわった。
如月(……、)
ここで、女の人を抱いたのかな…
この服もいつも女の人に貸してるのかな…
そんな心無いことを思ってしまうと無理やりでも目をつぶっても寝れない。
気づいたら、周りのシーツは濡れていて
目から涙が溢れていた。
せっかく好きな人の家に着てるのにこんなに複雑な気持ちってあるのかな…
胸が締め付けられる。
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作者名：枝豆 | 作成日時：2021年4月12日 22時
