悪者ヒーロー。 (ページ3)

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作戦決行。ページ3

「オイカワさん、お初にお目にかかります。私、悪者ヒーローです。
花巻から、お話は伺っていますね？」

「…うん……」

「大丈夫だ、俺らが付いてるから」

そう言って私たちは階段の屋根の上からこっそりと見守ることにした。

そして、ストーカー女が来た時、ポケットの中でスイッチを押した。

「自分からぁ、呼び出したってことはぁ、私の事好きになったってことぉ～？」

「…も、もう、止めてくれないか。…迷惑なんだ」

「えぇ～、それはできないかなぁ。だって、徹君はもう麻里奈のモノだから♥
絶対に離したりなんかしないよ？」

「(怖い怖い怖い……いやだ、嫌だ…………助けて)」

「じゃ、行きますか？花巻」

「あぁ」

ガリっと飴をかみ砕いて、私たちは飛び降りた。

「お初にお目にかかります、愛川麻里奈さん。私、悪者ヒーローです」

「は？何なのアンタ達」

「突然ですが、こちらをお聞きください」

そう言って彼女は録音機を出した。

そして、再生ボタンを押した。

先ほどの会話が流れ出した。

「それがどうしたっていうの？何に使うつもり？」

「アンタを、社会的に殺すために決まってんだろ。そんなことも分かんねぇのかよ、
頭が足りねぇな。これを理事長に渡したらどーなんだろうな。停学処分で済めばいいけど、
ワンチャン、退学かもな(笑)」

私たちはオイカワさんの前に立った。

「「これ以上、及川/オイカワさんに近づくな」」