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私だけのスタイリスト クルポッポさんリク メローネ ページ6

「んー、勿体無いなぁ」

「えッ何が?」


ソファに座っている私に、仕事仲間のメローネは後ろから嘆かわしい声をかけた。


「髪だよ。Aの髪、すごく勿体無いよ」

「髪?」

「そう!ちゃんと手入れすれば綺麗になるのに、雑過ぎる!あとその地味なヘアバンドもやめたほうがいいな」


好き勝手言いながら、無遠慮に私の髪に指を絡める。

どうでもいいじゃないか、文句をつけようと振り向いた時目に入ったのは、サラッツヤッの金髪。

手入れの行き届いたその髪に、思わず言葉が詰まってしまった。


「ね、よかったら君の髪…俺にイジらせてくれない?」


〜〜〜〜


「こんなもんかな」


な、なんか流れでOKしてしまった…。


彼がウキウキしながらテーブルに置いたプラスチックのカゴの中身。

スタン付きミラー、コテ、ブラシ、櫛、ヘアワックス、ボトル(中身はトリートメント?)etc…。

どこで手に入れたのか知らないが、髪飾りもジャラジャラ入っている。

髪の手入れやヘアアレンジに必要な物がたくさん入っていて、まるで小さな美容院だ。


「え、これ全部メローネの?」

「まぁ集めたのは俺だけど、全部Aに使おうと思ってたんだよね〜」

「何それこわい」


流石変態。やることがなんか気持ち悪い。

だがメローネはそんなことはどうでもいいのか、コテの温度を確かめている。


「じゃあまずは髪をまっすぐにしまーす。動かないでねー」

「う、うん」


それまで愛用していた地味な色のヘアバンドを外され、髪を掬い上げられる。

項を掠めた指の感覚に肩が震えた。

そしてコテで髪を挟まれて後ろに引かれる。

頭まで引っ張られないように少し力を入れて踏ん張った。


「これだけで違うんだぜ。毛先が広がらないで真っ直ぐ下に落ちる」

「ふぅん…髪なんて気にしたことなかったわ」

「おいおい駄目だよ。髪は女の命ってんだぜ」

「それは知ってるけど…」


いつもヘラヘラしているメローネが珍しく真面目な声で私を諭す。

そりゃあ髪は綺麗に越したことはない。

面倒だし、どうせ血で汚れてしまう髪なんて綺麗にするだけ無駄なんだ。

そう思って特別なことはしてこなかった。


「よし、次は…」


真剣な声色で独り言を呟きながら、メローネは作業をこなしていく。

たくさんの道具を器用に使いこなして、まるで本物のスタイリストだ。


決して髪を引っ張ったりして痛い思いはさせない。

優しい手に髪を撫でられ、無意識のうちに微睡んでしまう。

上の続き→←私の考えた暗殺チームプロフィール(捏造・ネタバレ注意)



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ウィルゴ・パルテノス - リクでダービー兄弟と一緒に日本の駄菓子を食べてみたをお願いします (2022年8月16日 7時) (レス) id: b628f3ea92 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコダイル - 15さん» コメントありがとうございます。浮上もできない半端な者ですがもう少しだけ頑張るつもりです。 (2020年9月18日 16時) (レス) id: eaa08fab16 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコダイル - みかんじゅうすさん» 更新はするつもりです。ですが、度重なる体調不良と将来の進路に関する活動を含む学生生活が忙しくてなかなか趣味としてPCに向かえない日々が続いております。決して投げ出したわけではございません。誠に申し訳ございません。もうしばしお待ちください。 (2020年9月18日 16時) (レス) id: eaa08fab16 (このIDを非表示/違反報告)
みかんじゅうす - もう更新されないんですか? (2020年9月16日 23時) (レス) id: 33585c80db (このIDを非表示/違反報告)
15 - 神よ! (2020年8月15日 22時) (レス) id: 33585c80db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヒヨコダイル | 作成日時:2018年9月17日 21時

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