歪んだ十字架４ (ページ29)

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ラウールside

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ラウ「何でか分からないんですけど、すごくモヤモヤするんです。」

大野「モヤモヤする？どんな風に？」

ラウ「うーん・・・。」

　

ここ最近、

よく分からないモヤモヤとした感じ。

心がザワザワって言った方がいいのかな？

何となくだけど、得体のしれない恐怖を感じていた。

　

大野「うんうん。そっか。」

僕の漠然とした話も丁寧に頷きながら聞いてくれる大野先生。

　

ラウ「僕、どうしたら・・・？」

不安そうな僕を感じ取ってくれたのか、ふにゃふにゃとした笑顔を向けてくれた。

　

大野「記憶、記憶って意識しちゃうとさ、今みたいに自分が辛くなっちゃうから。無理に考えすぎない方がいいね。」

穏やかな口調で、

大野「って言っても、カウンセリングって本来は過去と向き合うものなんだけどね(笑)。」

今は、分からない過去の記憶に囚われるより、これから残す未来に向けての記憶を大切にしてほしいとのこと。

　

大野「もし、思い出してきて、辛いなって感じたら、その時はカウンセリングが必要だね。」

カウンセラーがこんなこと言うのも変だよね～と笑う。

なんだか、大野先生の雰囲気に、

クスッと笑ってしまう。

ちょっとだけど心がが元気になった気がした。

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