歪んだ十字架３ (ページ9)

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辰哉side

　

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亮平と一緒に急いで戻る。

　

　

扉を開けると、

ぐったりとベットに横たわり、必死に呼吸を整えるラウールがいた。

お医者さんもリズムに合わせてトントンと優しく背中をさする。

　

　

ラウ「はっぁ・・・はぁ・」

　

なかなか落ち着かない呼吸。

ベッドサイドに近寄り、ラウールの目線までかがむ。

　

辰哉「どうしたの～？ラウ～？」

ラウ「ひっ、うぅ～やぁ～。」

　

　
言葉にならない声。

お医者さんと代わって、

熱を帯びた背中を優しくさする。

なんだか・・・

とっても幼い感じがするのは気のせい？

　
　

亮平も俺が視界に入るとちょっとまずいかなってことで、

扉の入口のところから様子を見守っていた。

医師「先ほど、気持ちを落ち着かせるお薬を入れましたが・・・。」

落ち着かないとのこと。

　

ラウ「うぅ～やぁ・・・にぃに～。」

ふと泣きながら・・・

辰哉「えっ？」

　

俺の胸に顔と鼻水を押し付けて、しくしくと泣いている。

ラウールが甘えてくるなんてこと自体が久しぶりすぎて。

咄嗟のことでびっくり。

でも、それがなんだか嬉しくて、

そっと

ぎゅっと

抱きしめた。

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