歪んだ十字架３ (ページ8)

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亮平side

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どんなに勉強したって優等生だって。

自分がやってきたことはいけないこと。

それは分かってたけど。

　

やっぱりラウールに対しての恨みが強かった。

こんなに不幸になったのは全部お前のせいだって。

　

でも・・・

ラウールが血を吐いて、倒れて、びくともしない姿を見て、

自分の今までの行動に疑いを向ける自分がいた。

ラウールに対して、どんなにひどいことを言ったって・・・

結局、俺の心は荒んでいくばかりだった。

　

　

俺自身もあの日のことを受け入れて、

ラウールのことにも目を向けて行かなきゃいけないんだね。

　
　

辰哉「これからはさ、一緒に協力してくれる？」

亮平「でもいまさら・・・俺が行ったらさっきみたいに怖がるでしょ。」

　

病室で俺をとらえた瞬間に、ラウールの目は恐怖に怯えていた。

　

恐怖から、震えあがり、息が吸えないラウールを見て、

どうしようもない後悔に襲われた。

　

辰哉「でも家族だから。向き合わなきゃ。それが多分、ラウールと亮平のお互いのためにもなるんだと思うよ。」

亮平「そうだね・・・。」

こうして、改めて、ラウールのことを話しているなんてちょっと新鮮。

　

ぼーっと見続けた夕日はいつの間にか沈んでいた。

　

　

パタパタとこちらに走ってくる足音。

なんとなく嫌な予感。

　

看護師「深澤さん、ちょっといいですか？」

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