歪んだ十字架３ (ページ45)

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ラウールside

　

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お兄ちゃんの話から推測すると、

おそらく、１か月ぶりのお家だと思う。

　

クリーム色の外観に、オレンジ色の三角屋根。

庭には、オリーブの木が生えていて、よく木登りをして遊んだっけ。

記憶は曖昧なのに、自分の家までの行き方やどこにあるのかはちゃんと分かる。

自分が小さかった時の昔の記憶もなんとなくある。

不思議だよね(笑)

自分の家を目の前にすると、

なんだか、すごく懐かしい感覚になった。

　

　

　

蓮くんの家に置いてあった鍵を差し込んで、

家の扉をそっと開ける。

　

あれ？

　
人はいないと思っていたけど、奥のリビングは明かりがついている。

誰かいる。

そして、言い争っている声がする。

　

音を立てないように、ドアを閉めて、

玄関をそろ～と進んでいく。

自分の部屋に行こうとはしたけど、

声の感じから何となく僕のことを話している気がして、

少しずつリビングへと続く、廊下を進んでいった。

　

　

ラウ「お母さんだ・・・。」

だんだんと近づいていくと、その声の主がお母さんだと分かった。

辰にいが、お母さんは具合が悪くて、施設に住んでるって言ってたけど。

戻ってきてるのかな？

　

　

　
　

母「あの子は一生許さない。あんな子私の子じゃないんだから。」

　

　

僕の足がピタッと止まった。

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