歪んだ十字架３ (ページ31)

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涼太side

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雲一つない晴天の午後。

今日は仕事がお休みの日。

ラウールがいる病院に車を走らせる。

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涼太「よしっ、割と上手にできた(笑)」

辰哉「朝っぱらからさ～、何してんの(笑)？」

康二「めっちゃええにおいする～♪」

　

　
　

そうつぶやいたのが、辰哉が仕事に出かける前。

朝の８時のこと。

　

食欲がないラウールに対して、何なら食べられるかな？って考え始めたのが、昨日の夜。

そうしたら、何とな～く作りたくなって、久しぶりに始めたお菓子作り。

　

基本、ラウールがいつもキッチンにいたから、

それを避けるために自然とお菓子作りから遠ざかっていた。

そう言えば、昔はよく作ったなって思い立ったのが早朝。

気が付いたらそこから数時間、無我夢中で作っていた。

　

　

熟したバナナを大きめに潰して、

隠し味にはピーナッツバターを入れて。

完成した特製のバナナケーキ。

ラウールのために優しい味付けにしてみた。

　

　

最近、ご飯が進んでないみたいだから。

これだけでも食べられるといいな。

　

　

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涼太「ラウ～来たよ～。」

　

扉開けると、ぽっこりと膨らんでいる布団。

近づくと、ヒクヒクと声が聞こえる。

今日は、布団にくるまり胸を動かして静かに泣いていた。

　

最近だと、

「にいに～」って甘えてくることもあれば、

泣きわめくこともあったり、

はたまた、大人しくしていることもあって。

幼いのがだいぶなくなってきたと思っていたけど、一進一退だね。

今日はちょっと情緒不安定かな(笑)

　

俺らも、ラウールに対しての態度が嘘のように、足しげく病院に通っていた。

まあ例の３人から２人になったけど。

　

　

そう言えば(笑)

この前、お見舞いに来た亮平はだいぶ緊張気味だったね。

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