歪んだ十字架３ (ページ16)

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辰哉side

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はぁ～という深いため息とともに、

がっくりと肩を落とす亮平。

　

亮平「今考えればさ、ほんと酷いよね。」

　

　

それは塗りつぶした、亮平だけじゃなくて、

やっているのを知っていて、そのまま見て見ぬふりをしてしまった俺も同じ。

　

辰哉「暴れる母さんを見て、ラウのことを思ってやる余裕がなかったな。」

　

　

　

　

よく耐えたな。

小さい体で、

俺らと母さんの痛みも全部。

　

　

母さんがおかしくなってからは、暴力も振るわれていた。

ラウールに対して、首を絞めたり、怒鳴り散らしたり。

　

でも・・・

助けなかった。

「やめろよ」って言うと母さんがまた暴れるから。

ラウールの「助けて！」っていう訴えも無視した。

終いには、ラウールはもう俺らに助けを求めず、目も合わせなくなっていった。

　

　

ベッドで眠るラウールがぼっそっと。

　

ラウ「にぃっ・・・。」

　

　

相変わらず、指は口にくわえられたまま。

呟やいたのはのは俺たちのことだった。

優しく頭を撫でる。

　

辰哉「これからは、俺らが守るよ。」

亮平「うん。」

　

俺らが支えてあげなきゃ。

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