歪んだ十字架３ (ページ13)

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亮平side

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日は暮れて外は真っ暗。

　

すうすうと眠るラウールを辰にいと一緒に見続けて数十分。

静まり返る病室。

お互い一言もしゃべらない。

　

　

ラウールは相変わらず指をくわえながら、眠っていた。

時折、呼吸が早くなるけど、

呼吸に合わせて、辰にいが穏やかな顔で優しく撫でてあげていた。

　
　

ずっと

　

ずっと

無理させてたね。

　

　

亮平「俺さ、いい気味だって思ってた。」

　

どんどん、笑わなくなるラウール。

　

あんなに活発だったのに、本当に大人しくなった。

感情を出さなくなった。

わがままも言わなくなった。

俺らの顔色をみて動くようになった。

なんでも言うことを聞くようになった。

　

　

都合よく動いてくれるラウールに対して、

俺らは確実に優越感に浸っていた。

　
　

さっき聞いた、お医者さんの言葉が心に突き刺さる。

罪悪感で心を閉ざしたラウール。

感情を出さないことを良いことに、容赦なく当たり散らした。

　

同じ家族なのに。

　

兄弟なのに。

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