歪んだ十字架３ (ページ11)

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辰哉side

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医師「どうぞこちらに。」

亮平と一緒に部屋に呼ばれ、話を聞くために椅子に腰を下ろす。

亮平を見ると明らかに緊張な面持ち。

多分俺も同じ顔をしているんだろうな。

　

この張り詰めた空気に、

俺の背筋もピーンとなる。

病院に運ばれた時も疑いの目で見られたりしてたから、

もう完全に怒られると覚悟していた。

　

　

　

　

医師「そんな緊張しないで(笑)、大丈夫。解決に向けて考えていきましょう。」

　

その言葉に一気に肩を撫でおろす。

　

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今までのこと全部話した。

　

事故で突然父さんを亡くして、

母さんがショックで精神的に壊れて、

その怒りをみんなでラウールにぶつけて。

兄弟でひどい言葉を浴びせたことも。

こうやって気が付くまでに４年もかかってしまったことも。

ラウールの異変がなければ、ずっとこのままだったかもしれない。

　

　

辰哉「家族の形としてダメなことは分かっていたんです・・・。でもどうしたら良いのかわからなかった。」

医師「家族だからこそ、一番近くにいる存在です。その関係を変えるのは簡単なようで、難しいんですよ。」

　
気が付いたら溢れていた涙。

　

辰哉「今は後悔しかありません。」

亮平「俺も同じです・・・。」

　

　

頬に伝う涙は隣の亮平も同じだった。

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