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亮平side
・
そうだ。
あの日もそうだった。
夕方に帰ってきて、リビングのテーブルの上に置いてあった、
“保護者面談のお知らせ”の用紙。
よく見ると中学校1年生ってことはラウールのか・・・。
亮平「チっ・・・」
そう思った瞬間怒りがこみあげてきて。
俺もさ、
もらってきたんだよ。
同じやつ。
模試の結果も良いし、
大学受験に向けて頑張ってるから、
1つランクの上の大学を目指せるかもって、そういう話をしてもらえるはずだったのに。
でもさ、来てもらえる保護者がいないじゃん。
お前が奪っといて。
俺はさ、用紙すら出そうかすっごく迷ってたのに。
なにちゃっかり見てもらおうとしてんの?
いないんだよ。
保護者って呼べる父さんも。
母さんも。
お前が全部壊したくせに。
どうしようもない怒りは止まらなかった。
気が付いたらビリビリに破いてゴミ箱に捨てていた。
ガチャ
辰哉「おっ!亮平。今日は早いじゃん。」
亮平「うん。たまたまだよ。」
ゴミ箱を見つめる。
止まらないモヤモヤを抱えながら、
そっとその場を去ったんだっけ。
・
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作者名:ゆり | 作成日時:2022年1月19日 21時